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河合楽器、B-EN-GのPLMシステム「mcframe PLM」で技術情報の統合管理基盤を構築

 ビジネスエンジニアリング株式会社(以下、B-EN-G)は26日、株式会社河合楽器製作所が、B-EN-Gの製品ライフサイクル管理(PLM)システム「mcframe PLM」を導入したと発表した。

 ピアノ・電子ピアノの製造を主軸に音楽関連事業を展開する河合楽器製作所は、AS400によって構築されたPLMシステムを利用しており、同システムに搭載されたBOM(部品表)を利用していたが、BOM上のデータは誰でも扱える形で管理されておらず、検索にもコツが必要なことから属人化していたという。そのため、設計者は紙に出力された設計図面や仕様書を頼りに部品を探し出さなければならず、部品の共通化や流用が進んでいなかった。

 また設計者と生産現場の間で情報が分断されており、上述した設計図面や仕様書は、AS400とは異なるシステムによって設計者ごとに管理され、共有されていなかった。このため、製造現場はそのたびに設計者に詳細を問い合わせなければならず、設計者も回答のために業務の手を止める必要があったことから、双方の生産性が低下してしまっていたとのこと。

 そこで同社では、設計から生産までのデータとプロセスを一元管理できるシステムの構築を検討。技術情報の検索性が高く、設計部門だけでなく生産現場の担当者でも容易に扱えるシステムであるほか、口頭による業務継承や属人的な慣習から脱却し、デジタルを軸とした業務の標準化を実現したいという狙いに合致すると判断し、2017年12月に基盤としてmcframe PLMを導入した。

 この新システムでは、わかりやすい画面や操作性により、設計・生産双方で図面や部品の検索性が向上。目的の図面を探す時間は、体感で10分の1くらいになったという。加えて、生産現場からも設計図面を直接参照できるようになり、設計部門への問い合わせ数が減少したため、設計部門の生産性が高まったとした。さらに、それまでは一部の担当者しかできなかったBOMへの登録作業も、設計担当者なら誰でも行えるようになっている。

 このほか、mcframe PLMでデータベース化されたことにより、同じ諸元(仕様や設計パラメータ)なのに異なる品番が付与されている部品を即座に見つけられるようになった点もメリット。また、設計情報などを更新する際の申請・承認ワークフローについても、紙の書類からシステムへ変更され、1カ月かかっていた回覧が数日で完了するようになったといった、副次的な効果も生まれたとしている。