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東芝デジタルソリューションズ、Classiq Technologiesとゲート型量子コンピューティング分野で技術提携

 東芝デジタルソリューションズ株式会社は12日、イスラエルのClassiq Technologies(以下、Classiq)と、ゲート型量子コンピューティングに関する技術提携に合意したと発表した。

 量子コンピューターには大きく分けて、組み合わせ最適化問題の計算に特化した「イジングマシン型」と、多様なアルゴリズムが実行可能で汎用性が高い「ゲート型」の2種類がある。「ゲート型」はまだ発展途上の段階で、将来的にはAI(機械学習)や組み合わせ最適化、シミュレーションなど、さまざまな分野への応用が期待されているが、ゲート型量子コンピューティングのソフトウェア開発には量子回路の設計・開発が必要で、高度な専門知識が求められる。

 東芝デジタルソリューションズでは、量子技術について、量子暗号通信(Quantum Key Distribution: QKD)や、従来型コンピューターでイジングマシンを疑似的に実現する量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+」などを提供している。また、AI技術については、東芝アナリティクスAI「SATLYS」をはじめとする多種多様なAI技術と開発実績を有し、さまざまなインダストリアル分野へ適用してきた。

 Classiqは、初心者から熟練者まで、量子回路の生成、解析、実行を迅速に行うことを可能にする、ユーザーフレンドリーなゲート型量子コンピューティングソフトウェアプラットフォームを提供している。

 今回の技術提携において、東芝デジタルソリューションズは、量子やAIの技術開発で培ったノウハウを生かし、Classiqのプラットフォーム上で作成したソフトウェアを用いて量子AIなどの技術検証を行う。その結果に基づいて、東芝グループが長年の経験を持つエネルギー、社会インフラ、スマートマニュファクチャリング、さらにはカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーなどの分野において、ゲート型量子コンピューティングによるさまざまな課題解決のユースケースを探索する。また、Classiqは、東芝デジタルソリューションズのインダストリアル領域でのユースケース探索を支援するとともに、ユースケースの実用化に向けたプラットフォームの最適化につなげていく。

 両社は今回の技術提携をもとに、ゲート型量子コンピューティングのインダストリアル分野への実用化を推進し、新たな価値を創造していくとしている。