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東芝デジタルソリューションズ、量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+」をAzure Marketplaceで提供

 東芝デジタルソリューションズ株式会社は6日、量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+」について、Microsoft Azure版ソフトウェア「SQBM+ for Azure」をAzure Marketplaceで公開し、提供を開始した。提供中のAmazon Web Services(AWS)版に加えて、Microsoft Azure版の提供を開始し、自社のIT環境にあわせてSQBM+を利用したいというニーズに応えるとしている。

 SQBM+は、株式会社東芝が開発した技術「シミュレーテッド分岐アルゴリズム」を用いた、組み合わせ最適化ソルバー「シミュレーテッド分岐マシン」を核とした量子インスパイアード最適化ソリューション。既存の計算機を使用して、複雑で大規模な問題の高精度な近似解(良解)を短時間で得られる。

 SQBM+ for Azureは、Azure環境の仮想マシンイメージ(Azure Virtual Machine)として提供。簡単にインスタンスを起動でき、すぐにSQBM+が使えるようになる。リソースを専有できるため高速な実行が可能で、専有したリソースはオートスケールや冗長化、起動停止など、利用者が自由にコントロールできる。顧客のシステムにも組み込め、ネットワークなどのオーバーヘッドを抑えられる。

 1000万変数のQUBO(Quadratic Unconstrained Binary Optimization:制約なし二次バイナリ最適化)問題に対応するQUBOソルバーを提供。アルゴリズムを改良して近似解探索の精度・速度を向上させている。

 SQBM+ for Azureは、利用するAzure Virtual Machinesのインスタンスに応じた、計算時間あたりの従量課金で、研究開発用途に限定した「Learn & Development」と「Business Standard」の2つのプランを用意する。

 東芝グループでは、SQBM+を活用して、株式市場における高速高頻度取引への疑似量子計算機適用の有効性に関する共同検証や、計算創薬への適用技術の検証、エネルギーマネジメントや材料開発での有効性の検証などを行ってきた。東芝デジタルソリューションズは、今後もさまざまな領域にSQBM+を適用し、複雑化する社会課題の解決に貢献していくとしている。