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矢崎エナジーシステムとNEC通信システムが協業、物流領域の効率化とカーボンニュートラルの実現を目指す

 矢崎エナジーシステム株式会社と日本電気通信システム株式会社(以下、NEC通信システム)は19日、2024年問題など、人手不足や働き方改革が業界課題とされる物流領域の効率化とカーボンニュートラルの実現に向けて、戦略的パートナーシップ契約を締結したと発表した。両社では、新たなソリューション開発やサービス提供に向けた取り組みを開始する。

 国内の物流業界では、B2C向けEC市場の規模が拡大の一途にあり、小口配送需要が急増している一方で、働き方改革関連法により、自動車運転業務の時間外労働時間の年間960時間に制限される2024年問題もあり、人手不足が深刻な課題となっている。

 さらに、カーボンニュートラルの取り組みへの関心が高まる中、国内におけるCO2排出量の約2割を占める運輸交通分野では、約4割がトラック車両による排出と言われており、物流の効率化は業界課題の実現だけでなく地球規模での課題解決にも大きく影響しているという。

 そこで今回は、トラックなど商用車向けデジタルタコグラフやドライブレコーダーの大手メーカーである矢崎エナジーシステムと、モビリティや産業DXを通じたソリューション事業を推進する中で、3Dセンサーを活用した「NEC3次元積載量可視化ソフトウェア」を開発してきたNEC通信システムの両社が協業。物流業界での課題解決に向けた取り組みを強化するとした。

 両社では、それぞれが持つ技術やサービスを連携させることで、まずは、物流(貨物)の積載状況の実態を可視化することから開始し、最終的には、効率化を実現するためのシステムやサービスの構築につなげていきたい考えだ。

 まず本年度より、倉庫業界の市場に対して「NEC3次元積載量可視化ソフトウェア」の提供を進めるとともに、2025年に向けて、矢崎製デジタルタコグラフと「NEC3次元積載量可視化ソフトウェア」の連動サービスの市場投入を目指していく。

 なお矢崎総業は、5月24日~26日にパシフィコ横浜にて開催される「人とくるまのテクノロジー展2023YOKOHAMA」の自社ブースに、「NEC3次元積載量可視化ソフトウェア」を展示する予定だ。

「NEC3次元積載量可視化ソフトウェア」のイメージ図