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Box、ChatGPTのAPIをコンテンツクラウド「Box」に統合する「Box AI」を発表

 米Boxは現地時間2日、ChatGPTのAPIをコンテンツクラウド「Box」に統合し、高度なAIモデルをBoxにネイティブに実装する一連の新機能「Box AI」を発表した。Box AIは、インサイトの発見と共有、重要な問題に対する迅速な回答、Boxに格納されている組織のデータに基づくコンテンツ作成をこれまで以上に容易にするとともに、OpenAIの最先端のAIモデルをBoxに統合し、Box上にあるコンテンツを理解し、新たなコンテンツを作成することが可能になるとしている。

 Box AIは、ユーザーが必要な時に必要とする正確な情報を探し出すことを支援する。プレビューで閲覧する際に、ドキュメントに関する質問をしたり、スプレッドシートからの重要な情報を引き出したり、プレゼンテーションを要約したりすることが、すべてワンクリックで行える。

 組織のファイルと連携して精度を向上させ、例えば営業部門ではBox AIを活用して、複雑な契約書に関する疑問への回答を得て、営業の効率を上げられる。また、アナリストがBox AIに長大な財務報告書を要約させることで格付けの推奨に役立てることや、法務部門がBox AIに契約書から重要な条項や用語、法的義務を引き出してもらうことで、レビューを早めるといった活用ができるとしている。

 Box AIは、ユーザーによる迅速なコンテンツ作成と、生産性の向上も支援する。Box Notesの中で、ユーザーはゼロからコンテンツを作成したり、既存の情報から新しい資料を作成できる。簡単な操作で、原稿やニュースレター、ブログ記事といった異なるトーン、長さ、スタイルの原稿を作成したり、Boxに格納されている情報をもとにしたアジェンダ、マニュアル、報告書を作成したりできる。

 Boxでは、Box AIはBoxのAI原則に従って10年以上開発しているフレームワークを基に構築されており、組織がサードパーティのAIモデルに接続できるようにプラットフォームの中立性を保ちながらも、最新の優れたインテリジェンスモデルをコンテンツクラウドに適用することで、継続的に機能強化していくと説明。Box AIはBoxに組み込まれた権限によって管理され、顧客がデータを制御できるように作られており、ユーザーがアクセスすることを許可されたファイルやコンテンツのみを閲覧したり操作したりできるようにするとしている。

 Box AIへの初期のアクセス権は、近日発表予定のデザインパートナープログラムを通じて、Boxの顧客の中から選ばれる。価格やパッケージについては正式提供の際に発表する予定で、Box AIを利用するためにプライベートベータ版の申し込みページが公開されている。また、Boxでは、米国時間5月9日に開催する年次イベント「Content Cloud Summit」で、Box AIの2つの機能についてプレビューを公開、その後順次機能を追加していく予定。今後、Box AIはBoxの製品群全体に組み込まれる予定で、より複雑なユースケースに対応していくとしている。