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大和自動車、日本交通、NECの3社が協業、タクシー乗務員の健康状態や運転状況を可視化する実証を実施

 大和自動車交通株式会社、日本交通株式会社、日本電気株式会社(以下、NEC)の3社は27日、運行管理の高度化に向けて、デジタル技術を活用しタクシー乗務員の健康状態や日々の運転状況を可視化する実証を、1月から4月まで実施したと発表した。

 今回の実証では、乗務員が身に着けたウェアラブルデバイスで心拍変動データなどを取得し、そこから快不快度や覚醒度などを分析するサービスと、顔認証により運転者を特定するとともに、ドライブレコーダーの各種データを収集・分析するNECの「くるみえ」を組み合わせて、健康状態やヒヤリハットを含む日々の運転状況のデータを可視化し、乗務員と運行管理者に通知した。

 この結果、業務中の感情のあらわれ方やヒヤリハットの頻度には、乗務員によって差が生じており、感情の起伏が少ない乗務員は、ヒヤリハットが小さいことを確認したという。さらに、長時間の運転状況の中で、周期をもって現れる眠気の強弱の発生が確認できたとのこと。

 3社は今回の実証の結果を踏まえ、疲労の見える化による効率的な勤務管理、効果的な運転指導、安全運転サポート機能など、運行管理の高度化に取り組むことで、乗務員の安全運転のさらなる向上、交通事故削減、働き方改革の実現を目指すとしている。

 なお、これらの乗務員データについては、モバイル運転免許証の国際規格であるISO/IEC 18013-5 Mobile driving licence (mDL) application に基づき実装したスマートフォンアプリに集約している。mDLの規格に基づいたアプリによる、タクシー乗務員に対するデータ活用の取り組みは、国内初になるとのことだ。