ニュース

HARP、バックアップ環境の統合に向けて「Veritas NetBackupアプライアンス」を導入

 ベリタステクノロジーズ合同会社(以下、ベリタス)は12日、株式会社HARPが、サービス基盤ごとに個別に整備してきたバックアップ環境の統合に向けて、「Veritas NetBackupアプライアンス」を導入したと発表した。

 HARPは、北海道庁が掲げる「HARP構想(北海道電子自治体プラットフォーム構想)」の実現に向けて設立された、電子自治体専門の第三セクター。電子申請や施設予約などの各種アプリケーションを共通プラットフォーム「HARP」上で展開し、道庁や170を超える道内自治体、道外の自治体に向けてサービスを提供している。

 ほかにも、電子自治体化をバックアップするITコンサルティングや、複数自治体で共同利用できるIT基盤の整備を行うなど、同社が手掛ける自治体向けサービスや利用団体数は年々増加しているが、その一方で、サービス基盤を支えるバックアップ環境では、バックアップのリソース不足、バックアップ/リストア時間の過多(日次対応が不可)、分散システムのためリソースの有効活用ができない、個別のバックアップ環境のため拡張性に不安があるなど、さまざまな課題が顕在化してきたという。

 そこで同社は、NetBackupアプライアンスと、アーカイブデータをクラウドに保管できる「InfoScale」を連携させ、コストパフォーマンスよく利用できる統合バックアップ環境を整備した。分散されていたシステムの統合により、リソースの有効活用、運用負担の軽減、容易な拡張性といったメリットが得られたとのこと。

 データ量は現状40TBほどだが、アクティブ-スタンバイの冗長化を採用。また重複排除技術を用いたアクセラレータを有効にすることで、日時でフルバックアップを取得する運用を可能にしている。また、7世代のバックアップデータを保管しても、ストレージ容量には50%の余裕があるほか、バックアップ時間は1日最大1/5まで短縮されたとした。

 さらに、ストレージ全体のバックアップから、ファイル単位でリストアできるような環境を整えて、柔軟なかつ管理者の負担をより軽減できるようにした。加えて、サービス提供のためのアプリケーションごとにチームが分かれているので、チームごとにリストア権限を与え、必要に応じてリストアできるような環境も検討する。

 なお今回の導入に際しては、システム全体の最適化を図るため、NTT東日本が全体設計を実施、ネットワンシステムズが詳細設計と構築業務を行っている。

 今後は、ローカルに設置されNetBackupアプライアンス上にバックアップデータを集約したのち、自治体との契約上、数年規模で保管しておく必要のあるコールドデータを、InfoScaleを使って、Amazon Web Services(AWS)上のクラウドストレージに移行する運用を予定しているとのことだ。