ニュース

ソフトバンク、企業や自治体向けに個別にカスタマイズした5Gネットワークを提供する「プライベート5G」を開始

 ソフトバンク株式会社は29日、法人向けの5Gマネージドサービス「プライベート5G」を提供開始した。

 プライベート5Gは、企業や自治体などのさまざまなニーズに合わせて、個別にカスタマイズした5Gネットワークを提供するサービス。サービスではまず、パブリック5Gの設備や電波を利用する「共有型」を提供する。

 「プライベート5G(共有型)」は、5G SAの特長であるネットワークスライシングを活用し、顧客の用途に応じて最適なネットワークのリソースを割り振る。コアネットワークの設備は、東西エリア(東京・大阪)に分散配置して冗長化しているため、機器の故障時などでも安定した通信を提供する体制を整えている。

 ソフトバンクが提供する「SmartVPN」や「OnePort」などの閉域接続サービスと連携することで、顧客の要件に応じた安全かつ柔軟なネットワーク設計が可能。また、今後、法人向けのサービス展開を予定している、端末から近い位置にデータ処理機能を配備するMEC(Multi-access Edge Computing)に、顧客が利用するアプリケーションを展開することで、より低遅延で安全なネットワークの構築が可能になり、端末から5Gネットワーク、MECまで一貫した高品質なシステムの運用ができるとしている。

プライベート5Gの対応端末は、シャープ株式会社製の5Gモバイルルーター「SH-U01」を提供する。また、住友電気工業株式会社(以下、住友電工)とのスマート工場の実現に向けた協業の一環で、住友電工が開発中の産業用5G端末も、プライベート5Gの対応端末として取り扱う予定。

 ソフトバンクは、プライベート5G(共有型)の提供を通して、工場やプラント、ビルなどの設備を制御するOT領域を高度化するとともに、これまで分断されていたITとOTのシステムを連携させ、一つのネットワークに集約させることで、産業全体のDXを推進していくと説明。また、顧客の敷地内に専用の基地局や設備を設置して、高度なプライベートネットワーク環境を提供する「プライベート5G(専有型)」も、2023年度中に提供開始予定としている。

「プライベート5G(共有型)」のサービス構成イメージ