ニュース

ソフトバンク、顧客の敷地内に専用の5Gネットワーク環境を構築する「プライベート5G(専有型)」を提供

 ソフトバンク株式会社は13日、企業や自治体などの敷地内に専用の基地局などの設備を設置して、顧客のニーズに合わせてカスタマイズした5Gのネットワーク環境を構築する「プライベート5G(専有型)」を提供開始した。

 「プライベート5G(専有型)」は、ソフトバンクに割り当てられた周波数の電波を組み合わせて構成された基地局やコアネットワーク設備の一部を、顧客の敷地内に設置して専用のネットワーク環境を構築する、法人向けの5Gマネージドサービス。

「プライベート5G(専有型)」のサービス構成イメージ

 顧客は、通信事業者が提供するパブリック5Gのサービスエリア外でも、5Gのネットワーク環境を構築でき、パブリック5Gのコアネットワーク設備を経由する場合と比較して、遅延を最大5分の1程度に抑えられる。これにより、例えばスマートファクトリーなどの低遅延性が求められる高度なソリューションの実現が期待できると説明。また、顧客が保有するデータを専用のネットワーク内に閉じた環境で処理できるため、セキュリティをより高められるとしている。

 さらに、ソフトバンクが顧客の用途に応じて、最適なネットワーク環境の設計・構築を行い、運用・保守までサポートするため、高品質な5Gネットワーク環境を導入でき、導入後も安心して利用できる。

 ソフトバンクは、法人向けの5G市場では、顧客が保有または賃借する建物や敷地内に、専用の5Gネットワーク環境を構築することへの需要が高まっていると説明。一方で、顧客のニーズや用途に応じてネットワーク環境を設計・構築することや、構築後に運用・保守を続けることが課題になっているという。

 この課題に対して、顧客がネットワークの構築・運用の手間や時間をかけることなく、高速大容量かつ低遅延で、高セキュアな5Gネットワーク環境を提供すると説明。工場や倉庫、ビルなどの設備を制御する、OT領域の高度なソリューションの提供を目指す顧客には「プライベート5G(専有型)」を提案したり、アクセス集中時の影響を抑えた通信環境の確保として、WAN(広域通信網)回線のバックアップや遠隔操縦などフィールドワークの支援といった利用を検討する顧客向けには「プライベート5G(共有型)」を提案したりするなど、顧客のニーズや利用形態に応じたサービスを提供するとしている。

 また、「プライベート5G(専有型)」の提供開始に合わせて、ソフトバンクロボティクス株式会社の「SoftBank Robotics Logistics Innovation Lab」(千葉県市川市)に、「プライベート5G」の技術検証エリアを2024年4月に開設する。このラボには、高密度自動倉庫システム「AutoStore」やAGV(無人搬送車)などの物流ソリューションがあり、物流倉庫や工場といった実環境に近い施設で「プライベート5G」を活用した技術検証ができるとともに、プライベート5Gの導入・活用に関する相談などができる。