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ソフトバンク、5GやIoTを活用した設備データ収集・連携の実証環境を大阪に構築

 ソフトバンク株式会社は9日、ロボット・テクノロジー関連の企業コンソーシアムである一般社団法人i-RooBO Network Forum(以下、iRooBO)と、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の支援を目的に、5GやIoTを活用して生産設備などのデータ収集・連携ができる実証環境を、大阪市の複合商業施設ATC(アジア太平洋トレードセンター)内に構築したと発表した。

 ATCは、iRooBOが運営する製造現場の自動化支援施設「IATC」や、研究開発支援施設「IATC-Lab」の他、ソフトバンクやiRooBOなどが共同で運営する、5Gを活用した製品・サービスの開発支援拠点「5G X LAB OSAKA」がある施設。

 今回、IATCとIATC-Labにあるデモンストレーション用の生産設備や制御装置、協働ロボットにIoTセンサーなどを設置し、ソフトバンクの5Gと閉域網サービス「SmartVPN」を使ってクラウド(Microsoft Azure)に接続することで、セキュアにデータを収集・連携できるシステムを構築した。

 実証環境では、iRooBOがATC内に設置している、デモンストレーションごとの生産設備や制御装置(PLC)、協働ロボットを、ソフトバンクの5Gと閉域網でクラウドに接続してデータを伝送できる。

 企業はこの実証環境を利用することにより、実際の製造現場の生産設備と同様の環境で、ソリューションの動作確認や、データの蓄積や可視化状況などの導入効果の検証が行える。また、SmartVPNでクラウドと閉域接続しているデバイス(PCやスマートフォンなど)であれば、どこからでもデータを確認でき、遠隔地からの運用を想定した検証も行える。

 さらに、5Gを活用した製品・サービスの開発支援拠点「5G X LAB OSAKA」の検証環境やビジネスサポートを活用することで、製造業向けの新たなソリューションの開発・検証をスピードアップさせることが期待できるとしている。

 この実証環境を活用した実証実験の第1弾としては、株式会社ブリッジ・ソリューションとスリーアップ・テクノロジーが、「IoTシステムを活用した工場見える化ソリューションの導入可能性検証と課題抽出」の実証実験を、2021年11月29日~2022年2月28日に実施する予定。

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