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CTC、5Gの低遅延通信環境でメタバースでの共同開発を可能にする「Omniverse on MEC」を提供

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は6日、5Gネットワークによる低遅延の通信環境で、メタバース(仮想空間)での複数ユーザーによる共同開発を可能にする「Omniverse on MEC」を提供開始すると発表した。株式会社NTTドコモとNTTコミュニケーションズ株式会社の低遅延・高セキュリティな通信ネットワークサービス「docomo MEC」に、NVIDIAのメタバース開発プラットフォーム「NVIDIA Omniverse Enterprise」(以下、Omniverse)を組み合わせて提供する。

 docomo MECは、セキュアな閉域網でNTTドコモの5G通信による高速な通信環境を利用できるコンピューティングプラットフォームで、パブリッククラウドでは提供されていないRTX GPUを利用し、円滑な3Dコンテンツのグラフィック処理を可能にしている。

 一方のOmniverseでは、さまざまな3Dデータを取り込み、物体の形状、位置、表面の質感や光源などを精緻に表現可能。この特長を生かして、建設業界での3Dモデル作成やレビュー、製造業界での各種シミュレーション、メディア・エンターテイメント業界での3Dコンテンツ制作などの業務が実現できる。また、複数人で同じ状態の画面を見ながらリアルタイムな協調作業を行え、目的に応じたメタバースを短期間で完成できるとした。

 今回提供するOmniverse on MECでは、この両製品・サービスを組み合わせることにより、セキュアで快適な通信環境において、3Dコンテンツの制作やレビューなどの協調作業を効率的に進められるとのこと。

 価格は月額42万円(税別)から。CTCでは、2022年2月からOmniverseの取り扱いを開始しており、製造工場での作業トレーニングや建設物のデザイン制作などの導入実績を持つ。同社ではこうした実績を生かし、業務プロセスの改善や効率化を求める製造業や建設業を中心に提供し、3年間で15社の受注を目指すとしている。また、メタバースを利用した業務改善の提案、システム構築、ユーザートレーニング、運用や保守までをトータルで支援するとのことだ。