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ベリタス、クラウドデータ管理プラットフォーム「Veritas Alta」の価値を説明

管理しやすい基盤と導入しやすいサービスを提供し、データ管理に悩む企業をサポート

 ベリタステクノロジーズ合同会社(以下、ベリタス)は27日、昨年10月に発表したクラウドデータ管理プラットフォーム「Veritas Alta」に関する説明を行った。クラウドを利用する企業が増加したものの、ハイブリッド/マルチクラウド上で複雑化・分散化したデータに対するさまざまなリスクにどう対応するかなど、データ管理に悩む企業が増加していると分析。管理しやすいプラットフォームと導入しやすいサービスを提供することで、データ管理に悩む企業をサポートすることを目指す。

 ベリタスでは現在の戦略として、次世代の自立性、サイバーレジリエンシーリーダーシップの拡大、マルチクラウド、新しい提供モデル、パートナーシップという5つを掲げている。今回、新しい提供モデルとしてサービスモデルであるVeritas Altaを提供する。

Veritas Alta

 これは、クラウド下でデータ保護と管理に対する課題が出てきていることに起因する。Veritas Altaブランドのデータ管理プラットフォームとして提供を開始するが、具体的なサービス提供開始日など、詳細は今後発表になる。

 「これまで提供してきたオンプレミス版に引き続き、われわれが得意なエリアであるエンタープライズ分野のハイブリッドクラウド/マルチクラウド環境におけるデータ保護、アプリケーションの回復力、データコンプライアンスとガバナンスのためのサービスを提供する。Veritas Altaを使用することで、クラウド内のすべてのデータ保護とアプリケーションの回復力を制御することができる」(ベリタス テクノロジーソリューションズ本部 常務執行役員の高井隆太氏)。

ベリタス テクノロジーソリューションズ本部 常務執行役員の高井隆太氏

 特徴は、1)マルチクラウド、ハイブリッドクラウド、プライベートクラウド、エッジ、オンプレミスとあらゆる環境向けに構築されたas-a-Serviceクラウドネイティブソリューション、2)柔軟な消費モデルで実装が簡単、3)最適なクラウドリソース使用量によるエンタープライズスケールの重複排除、自動スケーリング、4)K8s、PaaS、IaaS などの最新のワークロード向けに構築、(5)操作が簡単で、直感的なUIを提供、6)統合と自動化のためのAPI駆動型――、の6つだ。

 「クラウドネイティブはどのベンダーもアピールしているが、Veritas Altaはコンテナ上にマイクロサービス化したネットバックアップの機能を展開する。バックアップが開始した段階で、コンテナのリソースを使って増やすことで能力を高めて実行し、バックアップ終了後にはそれをすぐに解放するので、最小限のリソースで済むような構成を自動的に行う。データ保管先についても、バックアップ専用の保管サービスを提供し、効率よく保管できる。業界で最も効率よく重複排除を行い、クラウドのデータもオンプレミスのデータもすべて効率よく保管することで、ストレージコストを最小限にすることができる。サービスの実装についても、as a Serviceモデルの特長を生かし、簡単にスタートできる。こうしたデータ保護管理に関し、包括的な特徴を持っているサービスはほかにはないと自負している」(高井氏)。

Veritas Altaの特徴

 今後は「Veritas Alta」ブランドで、順次SaaSを提供していく計画だ。データ保護エリアでは、「Veritas Alta Recovery Vault」、「Veritas Alta SaaS Protection」を提供するが、これはNetBackupブランドのNetBackup Recovery Vault、NetBackup SaaS Protectionをリブランドした製品となる。

 このうち「Veritas Alta Data Protection」はBackup as a Serviceとなる。「Veritas Alta View」は、マルチクラウド/ハイブリッドクラウド全体を包括的に管理するコンソールで、基本的にデータプロテクションとセットで利用していく。また「Veritas Alta Analytics」は、バックアップやインフラストラクチャデータの収集分析を行うものだ。

 アプリケーションの回復するための製品としては、InfoScaleシリーズの技術を使ったSaaSサービスとして、「Veritas Alta Application Resiliency」、「Veritas Alta Shared Storage」を提供する。いずれもクラウドで利用できるモデルとしての展開を予定している。

 データコンプライアンスとガバナンスのための製品としては、現在はEnterprise Vault、Enterprise Vault.cloudとして提供しているものをリブランドし、「Veritas Alta Capture」、「Veritas Alta Data Insight」、「Veritas Alta Archiving」、「Veritas Alta Surveillance」、「Veritas Alta eDiscovery」として提供する。また、オンプレミスのソフトウェアで提供してきたData Insightについても、SaaS化して提供することを予定している。

 ベリタスではこうしてSaaSでラインアップをそろえるものの、これまでオンプレミス版で提供してきたものについては併売していく。

Veritas AltaブランドでSaaSを順次リリース予定

 「1つだけ申し上げたいのは、オンプレミス向け、あるいはハイブリッドクラウド向けのソフトの展開も継続していくという点。われわれは統合エンタープライズデータ管理ソフトウェアベンダーとして、オンプレミスソフトウェア展開とas a Service展開の両方に力を入れていく。多くのお客さまはオンプレミス、クラウド、データセンターを全部使っている。そこでクラウドだけ独立したソリューションとして提供するのではなく、単一Consoleから効率的に管理できるソリューションを目指し、開発を進めている」(高井氏)。

 将来の需要についても、「具体的に3年後にどれくらいのお客さまがクラウドに移行するだろうといったことは公表していない。われわれはお客さまの選択肢を阻害しないことが重要だと考えている。オンプレミス製品、サービス製品のどちらも提供することが重要」(高井氏)と、ユーザー自身が環境に応じて製品を選べることが重要であると強調した。