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日立、企業間取引のクラウドサービス「TWX-21」をサプライチェーン基盤へと進化

強化した「サプライチェーン最適化サービス」を新サービスとして提供

 株式会社日立製作所(以下、日立)は6日、8万5000社以上の企業に受発注業務などの企業間取引の場を提供してきたクラウドサービス「TWX-21」を、組織横断のデータ活用を支援するサプライチェーンプラットフォームとして進化させ、市場ニーズやビジネス環境の変化に素早く対応する、ダイナミックサプライチェーンの実現を目指すと発表した。

 第一弾として、サプライチェーン全体をデジタルツインでサイバー空間上に再現して、市場の需要変動に合わせた生産や出荷などの計画立案を支援する「サプライチェーン最適化サービス」を強化し、TWX-21の新サービスとして提供開始した。

 サプライチェーン最適化サービスは、サプライチェーンをサイバー空間上で再現し、高速シミュレーションにより、市場の需要変動に連動して常に顧客のサプライチェーン全体を俯瞰した最適な計画立案を可能にするクラウドサービス。今回の強化で、従来、生産、物流、販売の領域を中心に取りそろえていた各種機能を、調達までサポート範囲を拡大し、サプライチェーン横断でのシミュレーションの本格適用が可能となった。これにより、現実世界では把握困難な日々の需要変動に応じた計画立案・実行が可能になり、拠点や企業をまたいで「欲しいモノを、欲しい時に、欲しい場所に、欲しい分だけ」を実現し、過剰在庫や欠品の削減、有事の迅速な意思決定などを支援する。

サプライチェーン最適化サービスのイメージ図

 また、2023年3月をめどにTWX-21のサービス体系を刷新し、これまで提供してきた各種サービスを、顧客がより選択しやすい用途別に統合する。サービスを、パートナー選定から契約まで支援する「ソーシングサービス」、購買から支払いまで支援する「プロキュアメントサービス」、企業間取引における業務改革を支援する「サプライチェーンコラボレーションサービス」、企業間の多様なデータ方式の連携を支援する「データ連携サービス」に分類し、新たに加わった「サプライチェーン最適化サービス」と合わせて、5つのサービス分類に整備する。これにより、業務課題に対してサービスをより選択しやすくなるほか、サービス間のデータ連携を加速し、ダイナミックサプライチェーンの実現に向けた継続的な機能強化による価値をより享受しやすくなるとしている。

 日立では、TWX-21がこれまで培ってきた調達・購買業務に関する豊富な企業間取引のサービス基盤をベースに、ESGを考慮したパートナー選定をデータに基づき支援する機能と、有事により供給網が寸断されたときの影響を最小限にとどめるレジリエンス強化を支援する機能を「ソーシングサービス」に順次追加すると説明。さらに、TWX-21が持つ豊富な顧客基盤をベースに、顧客の要件に応じて日立グループのそのほかのサプライチェーン関連サービスと組み合わせて提供することで、コンサルティングサービスなどの上流からデータ基盤整備まで、ワンストップでサプライチェーンの高度化を支援するとしている。