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NECが「ゲートレス生体認証システム」を開発、顔認証と人物照合の組み合わせでスムーズな入場を実現可能

ゲートレス生体認証システムの利用イメージ

 日本電気株式会社(以下、NEC)は30日、ゲートを取り払った入場管理システム「ゲートレス生体認証システム」を開発したと発表した。顔認証技術と人物照合技術を組み合わせることで、多人数が自然に歩いて入場しても認証できるため、施設への入場時において混雑の原因となるゲートの撤廃を可能にしているという。

 テーマパークやオフィス・工場などで、フラッパーゲートや警備員のいる通用門などを通って入場する必要がある場合、入場口に多人数が集中した際には、同時に通過できる人数が限られるため、ゲートを通過するための長い行列が発生しやすくなっている。これに対して今回発表されたゲートレス生体認証システムでは、入場時のボトルネックとなるゲートを撤廃することで、混雑を緩和し、利用者に負担のないスムーズな入場を実現するという。

 具体的には、服装の特徴で照合する人物照合技術と、動きの特徴で追跡する技術を併用し、リアルタイムでの多人数の追跡を実現した。この技術と顔認証の組み合わせにより、1台のカメラで1分間に100人以上を認証できるため、入場エリアでの混雑の緩和に寄与するとしている。

 なお、同システムで用いられるNECの顔認証技術では、意識的に顔をカメラに向けることなく、自然に歩いていても本人の認証が可能。利用者に負担のないスムーズな入場を実現できるほか、マスク着用時の認証にも対応する。

ゲートレス生体認証システムの認証の流れ

 また認証完了時には、事前にダウンロードしたアプリやメールで本人への通知が行われる仕組みとなっており、利用者と警備員それぞれが入場エリアでの認証の可否をその場で簡単に把握できる。一方、事前に顔画像を登録していない人が通過した場合は、利用者の頭上や床面などに設置したディスプレイで視覚的にアラートを示せるとのこと。

 NECは今後、テーマパークやイベント会場、オフィス・工場における入退管理に加えて、鉄道の自動改札のゲートレス化など、さまざまなシーンでの活用検証を進め、2024年度の実用化を目指すとしている。