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THK、製造業向けIoTサービス「OMNIedge」で工具監視AIソリューションを提供

 THK株式会社は22日、製造業向けIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」の工具監視AIソリューションを提供開始した。出荷開始は11月末予定。

 OMNIedgeは、製造現場で発生するロスを削減して、設備総合効率(OEE)の向上に貢献するソリューションを提供していくIoTサービス。LMガイド、ボールねじ、アクチュエータの直動部品から、プロセスオートメーションやユーティリティ設備向けのモーター、ポンプなどの回転部品にまで対象を広げた「部品予兆検知AIソリューション」を展開してきた。

 今回、さらに工作機械の切削工具が抱える課題解決に向け、「工具監視AIソリューション」の提供を開始する。

 切削工具には、「寿命管理を最適にしながら工具コストを削減したい」、「欠損やチッピングによる加工不良、手直しロスの発生を防ぎたい」とった、製造現場ならではの課題が存在する。加工したワークの個数をもとに、加工不良につながらないよう、工具は早期交換するのが鉄則だったが、そのため異常がなくても安全係数を見て交換することで、コストは相対的に上昇する傾向にあるという。こうした課題に対し、より簡単に、即座に使用できる工具監視AIソリューションを開発した。

「OMNIedge」工具監視AIソリューション構成図

 工具監視AIソリューションは、CT(電流センサー)をモーターケーブルにクランプするだけの後付け(レトロフィット)が可能で、現場で稼働している年式やメーカーの異なる工作機械でも簡単に導入できる。設定ツールによる設定も不要で、設置したその日からすぐに監視とデータ取得が可能となる。

 切削工具の欠損/チッピングの検知、さらには摩耗度のモニタリング検知ができ、機械加工の量産を手掛ける事業所では、工具寿命の最適化、工具交換のコスト削減、加工不良発生時の手直しロスの削減などにつなげられ、高い費用対効果が期待できると説明。また、センサーから収集したデータはAIが自動解析して異常検知を行うため、繰り返し使用するほど精度が向上するとしている。

 THKでは今後も、導入ユーザーからの評価と要望を反映しつつ、ユーザーにとって最適なソリューションサービスの拡大を図り、製造現場の持続的な生産性向上に貢献していくとしている。