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THK、ドコモ、シスコの3社、製造業向け予兆検知アプリケーション「OMNI edge」の商用化を検討へ

50社対象の無償トライアルを2019年2月より開始

 THK株式会社、株式会社NTTドコモ、シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は18日、製造業向け予兆検知アプリケーション「OMNI edge」を構築し、2019年春の商用化を目指して検討開始すると発表した。なお商用化に先立ち、50社を対象とした無償トライアルを2019年2月より実施するという。

 THKでは、現場の装置に後付けが可能な専用センサーにより、主要部品であるLMガイド(機械の直線運動部における“ころがり化”を実現した直線案内部品)の損傷状態をデータとして取得し、可視化できる技術「THK SENSING SYSTEM」を開発した。製造装置全体ではなく、故障要因となる主要部品の状況を直接計測・診断することで、製造業において課題となっている、損傷部分の特定が可能な点を特徴としている。

 3社ではこのTHK SENSING SYSTEMをベースとした「OMNI edge」を、THKの新サービスとして提供することを検討するという。

 OMNI edgeは、THK SENSING SYSTEMに加え、シスコのエッジコンピューティングルータ、もしくはスマートフォンに集約したデータを、ドコモのモバイル回線を介してセキュアに収集することで、予兆検知を実現するもの。LMガイド破損診断システムであるTHK SENSING SYSTEMで取得したデータを用いるため、LMガイドの状態診断や装置の予兆保全を可能とするアプリケーションとしての提供を目指すとのこと。

 またOMNI edgeでは、IoT化に必要なデータ収集・蓄積・分析といった設計・構築作業を自動化しているので、IT担当者が不在の製造現場でも簡単かつ短期間での導入を可能にするという。さらに、保守・運用に関してもトータルサポートを実施することで、導入企業の負担を軽減するとした。

 なお対象となる業界、装置例としては、搬送用ロボット、射出成形機、自動包装機などが挙げられているが、その他、多くの一般産業向け装置への展開も予定されている。

 さらに3社では商用化に先立ち、試験導入を希望する50社へトライアルキットを無償提供する。応募期間は2019年1月末までで、無償トライアルは2月1日より開始され、開始日から最大6カ月間を予定しているとのことだ。