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富士通、川崎重工、SAPジャパン、Skillnoteの4社、製造業のDX支援プラットフォームサービス提供に向けた協業検討を開始

 富士通株式会社、川崎重工業株式会社(以下、川崎重工)、SAPジャパン株式会社、株式会社Skillnoteの4社は22日、航空機、鉄道、船舶、大型機械の製造といった、人手による作業への依存度が高い製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する、プラットフォームサービスの提供に向けた協業検討を開始したと発表した。

 4社は、各社が有するDX、システム構築、エンジニアリングに関する経験やノウハウを結集し、サプライチェーンを強靭化する「みんなで育てる製造業プラットフォームサービス」の創出に取り組むとしている。

 協業の背景については、製造業では急激な環境変化への対応や少子高齢化などによる労働人口の減少により、サプライチェーン全体としての事業継続の仕組み作りや、技術・技能の標準化・形式知化の必要性が高まっていると説明。一方、現場の製造管理業務では、依然としてデジタル化されていない人手に頼る作業も多くあることが課題となっているという。

 特に中小メーカーでは、人材不足、投資対効果の算出が難しいことなどが、DX化の導入障壁となっていると指摘。さらに、各社の局所的なデジタル化・システム化は、サプライチェーン全体や設計をはじめとするエンジニアリングチェーンとの連動において、全体最適を阻むサイロ化が懸念されるとしている。

 こうした課題を解決し、共通化されたデータや情報を使い、高品質なものづくりを効率よく継続するベースの提供が、「みんなで育てる製造業プラットフォームサービス」になるとしている。

 4社は今後、すでに稼働している高品質な製造管理プロセスと、ユーザー間のコミュニティ基盤を合わせた、ユーザー主体導入・統一業務・統一データのプラットフォームを、サブスクリプションで利用可能なサービスとして提供することを検討していく。

 プラットフォームサービスでは、川崎重工の「Smart-Kプロジェクト」で培った、高品質かつ効率的な業務プロセスを汎用化し、サブスクリプションサービスとして幅広い分野の製造業のサプライチェーンに価値を提供するとしている。

 川崎重工の航空宇宙システムカンパニーでは、「Smart-Kプロジェクト」として、高い品質と透明性が求められる航空機の製造プロセスを標準化し、富士通およびSAPジャパンとともに、SAPが提供する「SAP S/4HANA Manufacturing for Production Engineering and Operations(PEO)」を導入することで、デジタル化を実現した。Smart-Kプロジェクトでは、PEOによって製造現場をERPやPLMと連携させ、エンジニアリングチェーンとサプライチェーンがワンストップでつながり、技術要求の厳格なフローダウンと製造現場の状況をリアルタイムで把握することを可能にした。

 また、プラットフォームサービスでは、ユーザー主体でシステム導入が可能となるよう、富士通のシステム導入に関するノウハウやコンテンツをサービス化して提供する。さらに、ユーザー企業の主体的な業務変革とシステム運用の継続的な改善を実行できる、DXスキルの向上を支援する。

 システム導入では、標準機能に業務を合わせる「Fit to Standard」という考え方が、ユーザー企業の負担を軽減する取り組みとして加速しているが、一方でシステムに対する改善要望が反映できないという懸念もあったと指摘。サービスでは、ユーザーがシステムに対する改善要望と開発優先順位を共有して、「Standard」を育てることを目指すとしている。

 また、システム導入後の業務運用、特に製造業におけるエンジニアリングの役割は極めて重要だとして、業務上必要なマスタ作成支援などのエンジニアリングサービスを提供することで、プラットフォームの利用価値を高めるとしている。

 さらに、その価値を最大化するため、プラットフォーム上のデータ活用と各種SaaSとの連携にも取り組むと説明。Skillnoteは、製造現場のスキル管理、資格管理、教育計画などを通じて、技能伝承などの人材育成を支援する取り組みをSaaS型のサービスとして提供しており、Skillnoteの協力によりサービスのプラットフォーム上でも製造現場のスキルマネジメントと製造実行を連携させるとともに、さらなるサービスの発展に貢献するとしている。

 4社は今後、プラットフォームサービスの構築、ユーザー企業や各種団体へのヒアリングをもとに、周辺の支援サービスのメニュー化を実施し、2023年度上期にかけて、航空機エンジンの部品製造などを行うAeroedge株式会社を皮切りに数社でのテストを経て、2023年7月のサービスインに向けて活動していくとしている。