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IBM、Red Hatのストレージ製品をIBM Storage事業に統合
2022年10月13日 08:00
米IBMは現地時間4日、Red Hatのストレージ製品ロードマップおよびRed HatアソシエイトチームをIBM Storage事業に加え、オンプレミスのインフラストラクチャーとクラウドにまたがって一貫したアプリケーションおよびデータストレージを提供すると発表した。
これにより、IBMはIBM Spectrum Fusionの基盤として、Red Hat OpenShift Data Foundation(ODF)のストレージ技術を統合する。IBMとRed Hatのデータサービス用コンテナストレージ技術が統合することで、急成長するKubernetesプラットフォーム市場におけるIBMの能力がさらに加速すると説明。さらに、IBMでは、データセンターとクラウドプロバイダー間のアーキテクチャーの溝を埋める、統一されたソフトウェアデファインドストレージ(SDS)プラットフォームを提供する、新しいCephソリューションを提供開始する予定としている。
今回発表したポートフォリオ変更により、顧客はベアメタル、仮想環境、コンテナ環境におけるデータのレジリエンシー、セキュリティ、ガバナンスを維持しながら、一貫したストレージサービスを利用可能になるとしている。
顧客は、Red Hat OpenShift Data Foundationと統合されるIBM Spectrum Fusionを利用することで、データへのブロック、ファイル、オブジェクトのアクセスを必要とする、Red Hat OpenShift上で実行する本番アプリケーションに対して、最高レベルのパフォーマンス、拡張性、自動化、データ保護およびデータセキュリティを実現できると説明。これにより、簡素化、自動化された管理とプロビジョニングのために設計された、Infrastructure-as-Codeを使用することで、開発チームは運用ではなく、アプリケーションに集中できる。
また、IBMの統一されたSDSソリューション上で、プライベートおよびハイブリッドクラウドアーキテクチャーを実現することができ、データ保護、災害対策、高可用性、セキュリティ、自動スケーリング、自己修復可能な可搬性などの機能をハードウェアに縛られることなく、オンプレミス環境とクラウド環境の間を移動するデータとともに利用できる。
さらに、人工知能(AI)/機械学習(ML)、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)などのデータ集約型ワークロードをサポートする単一プラットフォームで、集中型データアプローチを迅速に拡張しようとする際に発生しがちな、課題に対処できると説明。管理の手間と時間の削減、データ移動と冗長性の低減、分析ツール向けのデータへの直接アクセス、高度なスキーマ管理とデータガバナンスなどのメリットが挙げられ、これらはすべて、コスト効率に優れた分散ファイルおよびオブジェクトストレージによってサポートされる。
また、開発したアプリケーションをクラウドからオンプレミスに移行し、ステージング環境を自動作成して導入手順をテストし、設定変更やデータベーススキーマ、データの更新を検証し、パッケージ更新を準備することで、運用中の障害を解決し、業務に影響を与えるような問題になる前にエラーを修正できるとしている。
IBMとRed Hatの合意に基づき、IBMはCeph Foundationのプレミアスポンサーとなり、Cephオープンソースプロジェクトのイノベーション、開発、マーケティング、コミュニティイベントを共同で推進する。IBM CephとRed Hat OpenShift Data Foundationは、完全にオープンソースのまま、アップストリームファーストモデルを継続し、これらの重要なコミュニティに対するIBMのコミットメントを強化していくとしている。
Red HatとIBMは、2023年1月1日までに移行を完了させる意向で、ストレージロードマップおよびRed HatのアソシエイトがIBM Storage事業部に移管される予定と説明。2023年1月1日以降も、Red Hat OpenShift Platform PlusにはOpenShift Data Foundationが含まれ、Red Hatおよびそのパートナーによって販売される。また、Red Hat OpenStackの顧客は、Red HatおよびそのパートナーからRed Hat Ceph Storageを引き続き購入できる。既存のサブスクリプションを持つRed Hat OpenShiftおよびRed Hat OpenStackの顧客は、Red Hatとの関係を変えることなく、必要に応じてストレージフットプリントを維持・拡大できる。
CephをベースとしたIBM CephおよびIBM Spectrum Fusionストレージソリューションは、2023年前半から出荷開始される予定としている。