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IBM、ハイブリッドクラウド環境でのデータアクセスと可用性をシンプルにするストレージソリューションを発表

 米IBMは27日、ハイブリッドクラウド環境でのデータアクセスと可用性をシンプルにするストレージソリューションを発表した。

 まず、新しいコンテナネイティブなソフトウェアデファインドストレージ(SDS)ソリューションとなる「IBM Spectrum Fusion」については、2021年後半に発売する計画を発表した。

 IBM Spectrum Fusionの最初の製品化は、コンテナネイティブなハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)システムになる予定。Red Hat OpenShiftを搭載することで、仮想マシンとコンテナのいずれの環境にも対応できるようにして、クラウド、エッジ、およびコンテナ化されたデータセンター向けにSDSを提供するよう設計されている。

 IBM Spectrum Fusionは、完全にコンテナ化されたバージョンのGeneral Parallel File Systemと、データ保護ソフトウェアを統合することで、組織全体からデータを発見する合理的な方法を提供するよう設計される。さらに、このソフトウェアを活用することで、既存のデータセットをより簡単に仮想化し、最適なストレージ層の利用を加速できる。

 IBM Spectrum Fusionにより、データの単一コピーのみを管理することが可能になり、アプリケーションワークロードを組織内で移動させる際に、重複したデータを作成する必要がなくなることで、管理機能が容易になるとともに、アナリティクスやAIを効率化できる。また、データのコンプライアンスもデータのコピーが単一になることでより強化され、複数のコピーがあることによるセキュリティ上のリスクも削減されるとしている。

 グローバルな可用性に加えて、IBM Spectrum FusionはIBM Cloud Satelliteと統合していくように設計されており、企業が単一の管理ペインでエッジ、データセンター、パブリッククラウドにおけるクラウドサービスを完全に管理できるように支援する。また、IBM Spectrum Fusionは、複数のRed Hat OpenShiftクラスターの管理のために、Red Hat Advanced Cluster Manager(ACM)とも統合するよう設計されている。

IBM ESS 3200

 さらに、IBMは、高性能ストレージ「IBM Elastic Storage System(ESS)」ファミリーのアップデートも発表した。

 新しい「IBM ESS 3200」は、ノードあたり毎秒80GBのデータスループットを提供する2Uストレージソリューションで、前モデルのESS 3000と比較して、読み取り性能が2倍に向上。機能拡張された「IBM ESS 50001」モデルは、従来よりストレージ容量が10%増加し、合計ストレージ容量は15.2PBとなった。また、すべてのESSシステムに、最新バージョンのRed Hat Ansibleで自動化した効率的なコンテナ化デプロイメント機能を備える。

 ESS 3200、ESS 5000のとも、コンテナ化されたシステムソフトウェアを搭載し、Red Hat OpenShiftおよびKubernetes Container Storage Interface(CSI)、CSIスナップショットとクローン、Red Hat Ansible、Windows、Linuxおよびベアメタル環境をサポート。またこれらのシステムは、IBM Spectrum Scaleも標準装備する。

 さらに、ESS 3200とESS 5000は、IBM Watson Knowledge Catalog(WKC)およびDb2との統合のために、IBMのデータとAIサービスを統合した完全コンテナ化プラットフォームのIBM Cloud Pak for Dataとも連携する。WKCは、AI、機械学習、およびディープラーニング用の情報を活性化するクラウドベースのエンタープライズメタデータリポジトリーで、ユーザーはこれを活用してデータ、知識資産、およびそれらの関連性にアクセスし、そのキュレート、分類、および共有を行う。IBM Db2 for Cloud Pak for Dataは、Red Hat OpenShift上に構築する、AIのためのデータ管理システムとなる。