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ユニフォアとNEC、AIを用いた通話分類・自動要約システム高度化の実証実験を開始

 ユニフォア・テクノロジーズ・ジャパン株式会社(以下、ユニフォア)と日本電気株式会社(以下、NEC)は12日、ユニフォアの通話要約システム「U-Assist」を活用し、コンタクトセンター業務の自動化に関する実証実験を開始したと発表した。

 U-Assistは、コールセンターでの顧客とエージェントの対話をリアルタイムにテキスト化するとともに、通話が終了した時点で自動要約を行えるシステム。通話内容全体をベースに分類・要約するのではなく、通話内容を分類するキーワードと、通話データの活用方法に応じた要約項目をあらかじめ設定し、ディープラーニング(深層学習)、機械学習を活用した言語理解モデルを用いることで、リアルタイムの自動分類精度を高められる点を特徴としている。

 また従来のシステムでは、音声データのテキスト化、分類、要約の各プロセスが別システムとなっていたが、U-Assistは音声データを投入するだけですべての処理を一元的に行うことが可能。さらに、維持・運用がしやすいこと、CRMや業務アプリケーションとリアルタイムに連携し、コミュニケーターの入力作業を自動化・簡素化を行えることもメリットとした。

 このU-Assistでは本来、ユニフォアの独自音声認識エンジンを利用するが、今回の実証実験では、NECの音声認識エンジンをU-Assistに組み込み、U-Assistの機能が利用できることを確認する。その上で、実証実験用にユニフォアが日本国内に構築したクラウド環境において、U-Assistで通話分類と自動要約化を行い、要約精度の向上を図るという。なお、実証実験では精度80%を目標とし、分類・自動要約化の結果は、U-Assistから出力される内容と通話データを照合して精度を検証するとのこと。

 一方、NECの音声認識エンジンは、最新のディープラーニングを活用した独自の音声認識技術を採用しており、自由会話の認識精度の高さ、耐騒音性の高さなどが特長。NECの社内実証では、自由会話の認識精度が実用レベルであることが確認されているが、今回の検証により、U-AssistにおいてNECの音声認識エンジンを利用できるようになるとのことで、高い認識精度により、コンタクトセンターにおけるコミュニケーター業務のDX化の加速を支援するとしている。