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あいおいニッセイ同和損保とユニフォア、AIを活用した通話分類・自動要約システムの実証実験を開始

 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社(以下、あいおいニッセイ同和損保)とユニフォア・テクノロジーズ・ジャパン株式会社(以下、ユニフォア)は3日、ユニフォアの通話要約システム「U-Assist」を活用した、コンタクトセンター業務の自動化に関する実証実験を3月から実施すると発表した。

 あいおいニッセイ同和損保のコンタクトセンターでは、顧客からの問い合わせ内容について、応対したコミュニケーターが通話内容を記録して手動で分類・要約した上で、関連する営業店や代理店に連携しているが、その件数は年間約100万件にも及ぶため、通話中や終了後の事務処理に多くの時間を費やしているという。

 このため、音声データのテキスト化や自動要約システムの検討を進めているが、現状では、日本語独特の同音異義語や似た発音の単語が多いことから、自動化の本格運用には課題があったと説明。こうした課題に対して、世界10カ国100社以上のコンタクトセンターに通話分類・自動要約システムを導入する、ユニフォアのコア技術であるU-Assistを活用した、国内初の実証実験を実施するとしている。

 U-Assistは、通話内容全体をベースに分類・要約するのではなく、通話内容を分類するキーワードと、通話データの活用方法に応じた要約項目をあらかじめ設定し、深層学習、機械学習を活用した言語理解モデルを用いることで、リアルタイムの自動分類精度を高められる。また、従来のシステムでは、音声データのテキスト化、分類、要約の各プロセスが別システムとなっていたが、U-Assistは音声データを投入するだけですべての処理を一元的に行うことが可能で、維持・運用がしやすいことも特徴としている。

 実証実験では、あいおいニッセイ同和損保の約2000件、延べ80時間分の通話データを、ユニフォアが日本国内に構築した実証実験用のクラウド環境に投入。U-Assistが通話分類と自動要約化を行い、要約精度の向上を図る。精度目標は、ユニフォアの海外実績の指標である85%で、分類・自動要約化の結果は、U-Assistから出力される内容と通話データを照合して精度を検証する。

 あいおいニッセイ同和損保は、これまで音声認識技術の活用など業務自動化に向けたデジタル技術の活用を積極的に行ってきたが、実証実験で分類・要約自動化の手法や精度を検証し、顧客対応時間の短縮、精度向上に向けてU-Assistの導入を検討していくとしている。

 ユニフォアは、今回の検証を踏まえて、日本国内のコンタクトセンター業務におけるリアルタイムコミュニケーター支援の実用化を目指し、データサイエンス・自然言語理解のスペシャリストを増員し、日本語要約精度の検証、向上を図るとしている。

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