ニュース

日立システムズ、金融業界における脱炭素を支援するサービスを提供

気候変動管理・会計プラットフォームのPersefoniと協業

 株式会社日立システムズは30日、気候変動管理・会計プラットフォームを手がける米Persefoni AI(以下、Persefoni)と、CO2換算排出量の算定と分析を行う炭素会計プラットフォームのクラウドサービス「Persefoni」のリセラー契約を締結したと発表した。日立システムズでは、すでに社内データを活用してPersefoniの実証実験を完了しており、その経験を基に、日本国内でのライセンス販売や導入・運用支援を7月から本格的に開始する予定としている。

 炭素会計とは、企業がCO2排出または削減に寄与したかを算定・集計することで、世界的な脱炭素の流れの中で、日本でも今後すべての企業がCO2の排出または削減に寄与したかを算出し、集計・報告することが求められる。東京証券取引所は、2021年のコーポレートガバナンスコードの改定により、国際イニシアティブに沿った報告を一部上場企業へ義務化しており、金融庁は金融機関に対し、同様の情報開示を要請している。

 金融機関では投融資先を含めた算定が必須となっており、今後業界全体に広がる見通しだが、CO2排出量の算定には非常に複雑なデータの分析が必要となり、顧客の対応負荷が大きな経営課題となっているという。

 日立システムズでは、Persefoniにより、顧客のCO2排出量の可視化、サステナビリティレポートの開示を支援するとともに、日立システムズが持つ設備関連ソリューション・サービスなどを合わせて提供することで、顧客のカーボンニュートラルの達成をワンストップで支援していく予定としている。

 Persefoniは、気候変動管理・会計プラットフォーム(CMAP)のリーディングカンパニーとして、炭素会計分野で世界のベンチャー企業10社に選出され、世界大手銀行10社中5社に導入されるなど海外で高い評価を受けており、企業や金融機関は、SaaS型ソリューションを利用することで、ステークホルダーや規制当局が求める気候変動情報の開示を、高い信頼性、透明性、利便性をもって行えるとしている。

 Persefoniの機能としては、炭素会計(コア機能)として、自社や投融資先企業の温室効果ガス排出量(スコープ1、2、3)の算出・報告機能を提供。気候変動ベンチマークは、自社の温室効果ガス排出量を、CDPデータを基に競合他社と比較でき、気候変動モデリングは、SBTiに適合したカーボンニュートラル目標の策定、達成シミュレーションと実際数値の比較が行える。

 日立システムズでは、今後は金融機関と脱炭素化を進める中堅・中小企業および地方自治体の炭素会計を支援し、関連事業とあわせて2024年度に45億円の事業規模を目指すとしている。