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クリックテック、データのビジネス活用を促進する「アクティブインテリジェンス」を訴求 2022年度のデータアナリティクス事業戦略を発表

 クリックテック・ジャパン株式会社は11日、2022年度のグローバルおよび日本における事業戦略に関する記者説明会をオンラインで開催した。

 まず、Qlik Technologies米国本社 CSO(最高戦略責任者)のドリュー・クラーク氏がグローバルのビジネス状況について説明。「当社のビジネスは非常に好調に推移しており、グローバルにおけるSaaSの年間経常収支は3ケタ成長を達成した。従業員数も前年同期比で10%増加し、M&AやR&D、企業責任、ダイバーシティ&インクルージョンへの投資も継続的に促進している。また、データアナリティクスのグローバルプロバイダとして、さまざまな先進企業とパートナーシップを実施しており、Microsoft Analytics Partner of the Year、Snowflake Technology Partner of the Year(Data Engineering部門)、Databricks ISV Customer Impact Awardを受賞。当社製品は、世界で3万8000以上の顧客に導入されている」とした。

Qlik Technologies米国本社 CSO(最高戦略責任者)のドリュー・クラーク氏

 今後のデータおよびアナリティクスのメガトレンドについては、「データとアナリティクス、コンピュート+SaaS、アプリケーション+IoTの4つの波が相互作用を起こしながら波及していく。これにともない、データを所有するIT側と、データを必要とするビジネス側の融合が進み、さらなるビジネス価値を生み出すことが可能になる」と分析。「こうしたメガトレンドを踏まえて、当社では、データを活性化することでビジネスチャンスをつかむ『アクティブインテリジェンス』を新たなビジョンに掲げた。そして、このビジョンに向けたプラットフォームとして、リアルタイムデータを情報に基づくアクションへと変換する『アナリティクスデータパイプライン』をクラウド上で展開している」と、グローバルの事業戦略について発表した。

データおよびアナリティクスのメガトレンド

 「アナリティクスデータパイプライン」のプラットフォームは、「自由にする」「見つける」「理解する」「行動する」の4つのフェーズで構成される。まず、「自由にする」フェーズでは、複数のシステムからローデータをリアルタイムに取り込み、統合する。次の「見つける」フェーズでは、カタログとリネージによってデータの所在を整理し信頼性を高める。ここには、昨年買収したNodeGraph社のデータリネージ機能が組み込まれており、ビジネスで使えるデータをオンデマンドで提供する。新しいインパクト分析機能により、ユーザーはQlik Cloudカタログ内の各データセットの出どころと用途を容易に理解することができるという。

アナリティクスデータパイプラインの仕組み

 「理解する」フェーズでは、AIによって過去のデータから将来の結果を予測し、優れたインサイトからアクションを起こす。ここには、昨年買収したBig Squid社の自動機械学習(AutoML)機能が組み込まれている。ビジネスアナリティクスのためのノーコードの自動機械学習を提供することで、キードライバー分析、予測分析、what-ifシナリオといった洗練された機械学習モデルを開発することが可能となった。そして、最後の「行動する」フェーズでは、データの正確さと効率性を高め、ビジネスシーンでのアクションを促す「Application Automation」を提供する。ユーザーは、SaaSアプリケーションとQlikクラウドにまたがるコード不要のビジュアルインターフェイスにより、データとアナリティクスのワークフローを自動化し、新しいインサイトに基づいたアクションを即座に実行可能になるとしている。

 日本市場のビジネス展開については、クリックテック・ジャパン カントリーマネージャーの今井浩氏が説明した。「日本市場においても、グローバルと同様に『アナリティクスデータパイプライン』の展開を推進しており、同プラットフォームの導入により『アクティブインテリジェンス』を実現する企業も出てきている。例えば、DX認定事業者であるトリドールホールディングスでは、自社サーバーとデータセンターをクラウドへ移行し、すべての業務をサブスクリプション化しているが、その一環としてQlik Senseを採用。データ分析基盤をSaaSに移行した。また、NECパーソナルコンピュータでは、DXを実現する経営基盤を模索する中で、当社が提唱する『アクティブインテリジェンス』を評価。同プラットフォームの導入により、SAPデータ分析におけるアナリティクスのモダナイズ化を図っている」と述べた。

クリックテック・ジャパン カントリーマネージャーの今井浩氏

 2022年度の日本市場拡大に向けた戦略としては、「経営課題としてのアクティブインテリジェンスの訴求」、「パートナーエコシステムの強化」、「ユーザーコミュニティの醸成」の3点に注力する方針を明らかにした。

 具体的な施策について今井氏は、「アクティブインテリジェンスの訴求では、CDO(最高デジタル責任者)の設置とデータリテラシーの重要性を強く訴えていく。その一環として、CDO Clubと共同調査した『日本企業における最高データ責任者設置状況とデータ活用実態把握』を近日発表する予定だ。また、データリテラシーの無料講座を開設し、継続的に展開していく。パートナーエコシステムの強化では、グローバルシステムインテグレーター、グローバルテクノロジーパートナー、国内販売パートナーについて、既存パートナーの強化を図るとともに新規パートナー開拓を推進していく。そして、ユーザーコミュニティの醸成では、グローバルで展開している『Qlik Luminary 50』に加え、日本独自のトップユーザー支援プログラムとして『Qlikアドボケイト』を発足した。現在、約20社が参画しているが、今年はさらにプログラムを強化していく」との考えを示した。

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