ニュース

NTT Com、東京海上日動、東京海上ディーアールの3社がSmart City領域で協業

デジタルツイン技術を活用した予測型マルチハザードソリューション提供を目指す

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)、東京海上日動火災保険株式会社(以下、東京海上日動)、東京海上ディーアール株式会社の3社は31日、Smart Cityの実現に向けた取り組みの一つとして、災害に強い街づくりの実現を目指し、地震や水災など複数種類の大規模災害予測を行い、被害の極小化を支援する予測型マルチハザードソリューションの提供に向けた協業を開始すると発表した。

 協業では、各社が保有する空間・災害・人流などのデータや災害予測モデルを連携させ、デジタルツイン技術を活用した高精度の災害予測シミュレーションを行うとともに、シミュレーションにもとづいた安全対策、災害発生時の補償などについて検討を行う。

 3社では、近年、豪雨や地震などの大規模な自然災害が多発し、日本だけでなく世界的な社会問題となっていると説明。こうした課題に対して、NTT Comが保有するデジタルツイン技術や人流・空間などのデータと、東京海上日動および東京海上ディーアールが保有するリスクデータやデータ解析のノウハウなどを掛け合わせ、さらに災害予測技術や災害研究データなどを保有する国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下、防災科研)の協力も得ることで、地震や水災など複数種類の災害(マルチハザード)に対応可能な、予測型マルチハザードソリューションの提供に向けた検討を行う。

検討するソリューションのイメージ

 協業では、デジタルツイン技術の活用により、仮想のSmart City空間上で人流・空間・気象・自然災害などのデータや、防災科研の災害予測技術などを組み合わせ、リアルタイム性の高い被害予測モデルの構築に向けた研究を行う。

 また、高度被害予測モデルの予測結果に基づき、災害の種類や規模に応じた災害初期対応方針を複数パターン策定し、災害発生時におけるデジタルとリアルのシームレスな連携を実現するための研究を行う。

 予測結果にもとづく災害時の安全対策としては、Smart Cityにおける人・モノ・インフラの安全確保に向けて、個人の避難誘導や災害情報の一元管理、インフラシステムの安定稼働などを実現する防災アプリと、クラウド型の防災マネジメントシステムの研究を行う。

 さらに、防災ソリューションの高度化に向け、リスクデータの活用やSmart Cityに関わるデータドリブン型の保険商品などについて研究を行う。

 3社では、検討の結果をもとに、予測型マルチハザードソリューションを構築し、実際の地域における研究・実証を通じて継続的にノウハウを蓄積する。将来的には3社が連携し、NTTグループ企業が集中するJR品川駅周辺エリアをはじめ、災害に強い街づくりを目指す各地の自治体や、それを支援する企業への予測型マルチハザードソリューションの提供を目指すとしている。