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NECとCone・Xi、AIを活用して要支援・要介護者と訪問看護師をマッチングする実証実験を実施

 日本電気株式会社(以下、NEC)は20日、株式会社Cone・Xiと共同で、訪問看護・介護に関する業務効率化への貢献を目指し、AIの活用により要支援・要介護者と訪問看護師をマッチングするシステムの実証実験を、9月下旬から岡山市内で実施すると発表した。

 要支援・要介護者と訪問看護師のマッチングについては、事業者との連絡調整をするケアマネジャー(介護支援専門員)が、要支援・要介護者が適切な介護サービスなどを利用できるよう、訪問看護師を割り当てる際に、訪問看護師が所属する事業所へ個別に電話するなど、多大な労力がかかっている。また、要支援・要介護者に対して柔軟に対応できるよう、希望する時間帯に対応可能な訪問看護師を複数見つけておくことが求められる場合もあり、負担が増大しているという。

 一方、事業所においては、訪問看護師の人材不足が深刻化する中、ケアマネジャーと日々連携しながら訪問看護師を効率的に調整・割り当てる必要があり、個々の訪問看護師の対応可能な業務内容、空き状況、訪問エリアなどの情報を効率的かつタイムリーに管理・発信する仕組みが求められている。

実証実験の概要

 実証実験では、NEC独自のAIを活用して、岡山市内の訪問看護ステーション約20事業所に所属する訪問看護師を対象に、ケアマネジャー(約50人)が担当する、訪問ケア希望の要支援・要介護者とマッチングするシステムの検証を行う。

 具体的には、ケアマネジャーが登録した要支援・要介護者の情報(必要なケア、希望日程、住居エリアなど)と、訪問看護師が登録した情報(専門分野、対応可能なケア、空き状況、訪問エリアなど)をシステムで分析し、適切な訪問看護師の候補者一覧をケアマネジャーに提示する。

 これにより、ケアマネジャーは事業所・訪問看護師選定などの業務を効率化できる。また、訪問看護ステーションもケアマネジャーへの営業や電話のやり取りが減り、要介護者のケアなど本来の業務に専念することが可能となり、地域の訪問看護資源を有効活用し、人材不足の課題解決の一助になるとともに、要支援・要介護者の生活の質の向上に貢献するとしている。

 実証実験では、NECがシステム構築・運用を、Cone・Xiが実証体制構築、カスタマーサポートを担当。NECとCone・Xiでは今後、訪問介護士などのマッチングにも適用していくとともに、ICTを活用した情報基盤を構築し、事業所個々のさらなる業務効率化と質の向上の支援を目指すとしている。