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NTT Com、クラウド上で秘密計算が利用可能なサービス「析秘」を提供

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、大規模なシステム構築や複雑なコマンド入力を必要とせず、Webブラウザー上で秘密計算が利用できるクラウドサービス「析秘(せきひ)」の提供を開始した。

 秘密計算とは、データを秘匿化したまま分析を行い、結果のみを出力する技術。データの利活用において、個人情報や機密データを相互利用できないといった課題の解決策として、秘密計算の技術が注目されている。

秘密計算のイメージ

 NTT Comではこれまで、デジタル技術の活用により医療分野のスマート化を実現するSmart Healthcareの領域を中心として、秘密計算の実証実験や共同研究を行ってきたが、析秘の提供により、誰でも簡単かつ安全に秘密計算が活用できる環境を実現する。

 析秘は、クラウド上で秘密計算が活用できるサービスで、データを秘匿化したまま回帰分析やデータ集計など多様な統計分析を行える。

 クラウドサービスとして提供されるため、これまで秘密計算に必要とされてきたオンプレミスでの大規模なシステム構築や、専用ソフトウェアのインストールが不要で、秘密計算を活用するまでのリードタイムを短縮でき、初期投資を抑制できる。

 また、サービスは利用にあたって複雑なコマンド入力が不要で、汎用的なWebブラウザーを使い、Web UIを介して直感的に秘密計算用のシステムを利用できるため、技術的な導入のハードルを下げられる。

サービスのイメージ

 サービスプランと価格(税込)は、「100万レコードプラン」が付与ID数10ID、初期費用55万円、月額費用44万円。「1000万レコードプラン」が20ID、初期費用110万円、月額費用93万5000円。「1億レコードプラン」が不要ID数40ID、初期費用220万円、月額費用374万円。

 NTT Comでは、析秘により、医療を始めとするさまざまな分野で、個人情報などの機微なデータの利活用を支援するとしている。