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Lazuli、食品・飲料業界向けAIソリューション「Lazuli PDP for F&B」を本格提供
食品・飲料に特化した商品データ統合基盤を実現
2021年8月4日 11:20
AI技術を活用したクラウド製品マスタ「Lazuli PDP」の開発・提供を行うLazuli株式会社は3日、食品・飲料の業界向けに、商品に関するデータを統合・管理するためのデータ基盤を構築し、商品情報をデジタル施策に活用するためのAIソリューション「Lazuli PDP for F&B(Food and Beverage)」の提供を、8月3日から本格的に開始すると発表した。
同日には、食品・飲料業界向けにAIソリューションを展開する背景、および「Lazuli PDP for F&B」の製品概要について説明会が行われた。
Lazuliは、2020年7月に設立されたスタートアップ。「世界中の製品情報を整理し、データを民主化する」をミッションに掲げ、高度なAI技術とクラウドを駆使し、世界中の商品情報をビジネスに関わる誰もが利用できるクラウド製品マスタとして「Lazuli PDP」の開発・提供を進めている。「Lazuli PDP」は、複数の外部データベースに点在している商品情報を一括して管理し、またデータを活用しやすい形に整理、拡張するためのPDP(Product Data Platform)となっている。
今回、本格的に提供開始する「Lazuli PDP for F&B」は、食品や飲料領域の商品データにフォーカスした、食品・飲料業界向けソリューションとなる。
Lazuli CXOの國貞航氏は、食品・飲料のデータ流通について、「食品や飲料などの商品は、店頭で売るときは情報量が少ないが、デジタルで売ろうとすると必要情報が激増する。例えば、カテゴリ情報や商品説明文、画像、スペック情報、レビュー、検索キーなど。そして、この膨大な商品情報を職人芸のようなマクロExcelに手入力をしてデータの整備・管理を行っているのが実情だ」と指摘。
「こうした背景から、食品・飲料業界は、デジタルな販売チャネルを活用するために大きなデータ整備コストがかかるという課題を抱えている。また、ユーザーエクスペリエンス(UX)を追求するほど必要なデータは増え、従来のやり方ではさらにコストがかさんでしまう。これらの課題を解決するソリューションとして、『Lazuli PDP for F&B』を本格展開していく」と狙いを語った。
「Lazuli PDP for F&B」では、食品・飲料向けに特化した機能を「Lazuli PDP」に追加し、AIを活用した食品・飲料の商品情報に関する名寄せ、正規化、特徴などの情報の付与をSaaSの形で顧客企業に提供する。食品メーカーや飲料メーカー、また食品や飲料のデータを分析する企業などは、商品情報の収集、整理、拡張によって、POSデータに代表される顧客データ分析やEC、AI活用を加速させることができる。
Lazuli CEO/CTOの萩原静厳氏は、「Lazuli PDP for F&B」で追加された機能のポイントについて、「メタタグの生成では、食品・飲料の特徴をより精度高く抽出し、より使い勝手の良いカテゴライズで分類・提供する。また、メタタグを活用した検索機能の改善により、コンバージョン率やUXの向上を実現する。商品名の正規化では、食品・飲料の商品名に混ざりがちな不要語を除却し、コアとなる商品名をきれいに抽出する。さらに、名寄せ機能では、同一ブランドの複数商品バリエーション数が多い食品・飲料の商品慣習に合わせた名寄せが可能となった」と説明した。
「Lazuli PDP for F&B」の導入メリットとしては、「『Lazuli PDP』を導入したECサイト事業では、作業時間98%削減、人員数90%削減を実現した事例がある。食品・飲料に特化した『Lazuli PDP for F&B』でも、同商品カテゴリを中心に取り扱う事業者において、同等かさらに高い工数削減を提供できると考えている」(萩原氏)とアピールした。
なお、「Lazuli PDP for F&B」は、すでに複数の大手企業とのPoCを重ねており、「開発の段階から、大手飲料メーカーと大手食品加工・卸業の2社に先行導入し、今年後半には本格導入を予定している。また現在、大手マーケティング会社、大手卸業者、大手小売業、大手ECサイト事業者、大手IT事業者の5社がテスト導入・検討を進めている。今後、Enterprise向けSaaSプロダクトとして、販売および追加機能開発を加速させていく」(萩原氏)との考えを示した。