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東芝、現場の設備音や発話を高精度に認識できる二つのAI技術を開発 フィジカルAIの実現を支援

 株式会社東芝は22日、現場ごとに異なる設備音や警報音、作業者の発話を高精度に認識し、フィジカルAIの実現を支える二つのAI技術を開発したと発表した。

 現実空間の情報を認識し、判断・行動するフィジカルAIの実現に向けては、設備音や警報音、作業者の発話などの音・音声情報を正確に理解する技術が重要となっている。一方、現場ごとに異なる設備音や専門用語を含む作業者の発話をAIに認識させるには、大量のデータ収集やAIモデルの追加学習、辞書の継続的な更新が必要であり、導入と運用に多くの時間と手間がかかっていたという。

 今回開発した一つ目の技術は、検出したい音の見本を数個登録するだけで、現場で収集した音の中から検出対象の音を検出できる「Few-shot音響イベント検出技術」。現場ごとの大量データ収集や追加学習を必要とせず、現場や用途に応じて検出対象を柔軟に変更できることが特長となる。リアルタイムでも音を検出できるため、設備監視や異常検知など即時性が求められる用途にも適用できる。また、背景雑音や騒音がある環境下でも安定した検出性能を実現し、公開ベンチマーク評価においてトップクラスの性能を達成した。

 二つ目の技術は、利用者が認識誤りを訂正した記録を活用して、専門用語や固有名詞を含む発話の認識精度を向上させる「誤り訂正記録活用型音声認識技術」。蓄積された訂正記録の中から、現在の発話に関連するものだけを活用する独自技術により、AIの処理負荷を抑えながら高い認識性能を維持できる。

 これらの技術は検出対象となる音や発話の内容を現場に応じて設定できるため、設備異常検知、警報監視、設備保守、運転監視、作業記録作成や保守報告書作成支援など、幅広い用途に適用できる。今後、製造業や社会インフラの現場に限らず、物流、建設、コンタクトセンターなどさまざまな分野に展開し、現場DXの推進や熟練者のノウハウ継承を支援する。

 東芝は今後、両技術を製造、エネルギー、社会インフラ、物流、建設などにおける設備監視や保守業務、専門用語を含む作業記録や保守報告書の作成支援、コンタクトセンターの応対記録など幅広い業務に適用させることを検討していく。利用者が検出したい音の見本や音声認識の訂正記録を追加することで、設備や業務、使用される言葉の変化に柔軟に対応できる技術として発展させ、現場DXの推進や熟練者のノウハウ継承を支援する。さらに将来的には、現場の状況や知識をAIが理解・活用するための音・音声理解基盤として、フィジカルAIを含む現場支援技術の実現を支えていくとしている。

今回開発した二つのAI。数個の音の見本や利用者の訂正記録を登録するだけで現場ごとに適応し、検出対象となる音の検出や、専門用語を含む発話の高精度な認識を実現する