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デル・テクノロジーズ、エージェンティックAI用途に向け「Dell AI Factory with NVIDIA」をデスクサイドからデータセンターまで拡張
2026年10月23日 06:30
米Dell Technologies(以下、デル・テクノロジーズ)は現地時間21日、エンタープライズAIインフラソリューション「Dell AI Factory with NVIDIA」の大規模な機能拡張を発表した。
デル・テクノロジーズでは、エンタープライズ向けエージェンティックAIは、2028年までに最大のワークロードになると見込まれており、2030年までに生成AIの約3倍の速さで成長すると予測されていると説明する。一方、成長そのものは成果を保証するわけではなく、全体像の一部を示しているにすぎず、その実態を物語るのがトークンエコノミクスだと指摘する。
推論コストは2030年までに90%以上低下すると見込まれる一方、エージェンティックAIによるトークン消費量は24倍に増加すると予測されているという調査を紹介。企業が投資効果を最大化するためにリソースを見直す中、59%の企業がROI(投資収益率)の不透明さをAI導入における最大の障壁として挙げており、83%がAIパートナーの選定においてはAIライフサイクル全体を通じたエンドツーエンドのベンダー支援を最優先事項としているという。
AIインフラを自社で保有する企業は、そのコスト、データ、オペレーションの管理を、パブリッククラウドのみに依存するアプローチでは実現できない形で維持できるとして、「Dell AI Factory」は、2年間でパブリッククラウドと比較して最大90%優れたコスト効率を実現できるとしている。しかし、所有とコストだけでは十分ではなく、企業には適切なツール選定、性能監視、ポリシー適用、コスト管理を拡張に応じて行えるAI基盤が必要で、これによりROIとパフォーマンスの両立を図れるとしている。
Dell AI Factory with NVIDIAは、こうした課題の解決策として提供するもので、幅広いAIポートフォリオを備えた信頼できるパートナーとして、検証済みソリューション、拡大するオープンエコシステム、専門サービス、そしてAI対応のエンドツーエンドのデータ基盤を通じて、企業がパイロットから本番環境へと確信を持って移行できるよう支援する。
Dell AI Factory with NVIDIAは、デル・テクノロジーズが設計したシステム、ソフトウェア、自動化技術と、主要AIソフトウェアによる検証済みのオープンエコシステムを組み合わせた、安全で統合性の高いAIソリューションを提供する。これにより企業は、自ら所有・管理するインフラ上で、実証済みのAI成果をより迅速かつ低リスクで導入できる。
今回の強化では、ReflectionのBeamオープンウェイトモデルが、Dell AI Factory with NVIDIA上で検証済みとなった。これにより企業は、自ら管理するインフラ上で、ソフトウェアエンジニアリングや長期的なエージェント型タスク向けに最適化された、Apache 2.0ライセンスによる先進的なオープンウェイトモデルを活用できる。
Dell AI Ecosystem Programによって提供される新たな検証済みソリューションおよび機能強化により、企業はさまざまな重要業務向けに、AI活用を迅速に推進できる。具体的には、DynatraceによるAI observability、Mistralによるknowledge assistantおよびエージェンティックAIプラットフォーム、Fogsphereによるcomputer visionなどに対応している。さらに、SUSE Linuxの追加をはじめ、モデル、AIアプリケーション、オペレーティングシステムまでをカバーするDell AI Factory with NVIDIAは、AIソフトウェアスタック全体にわたる柔軟な選択肢を提供する。
また、エージェンティックAIのデスクサイドへの拡張に向け、検証済みのリファレンス導入テンプレート群を新たに追加し、「Dell Deskside Agentic AI」を拡充する。「Dell Deskside Agentic AI Solutions for NVIDIA」は、エージェンティックAIワークフローの拡張に伴う不確実性を解消する。各ブループリントでは、エージェンティックコーディング、エージェンティックVSS、NVIDIA NemoClaw、NemoClaw上のHermes Agent、高等教育向けAIラボ基盤などのユースケースを実行するために必要なハードウェア、AIモデル、ソフトウェア スタックを定義している。これにより、企業は開発者1人レベルから1000台超のシステムを展開する全社規模まで安全にスケールできる。
「Dell Deskside Agentic AI」のハードウェアラインアップも拡充する。「Dell Pro Precision with GB10」は、個々の開発者や小規模チームに適した64GBユニファイドメモリ構成で提供される。同製品は、ローカル環境でのエージェンティックAI開発を容易にし、主要なオープンウェイトモデルの実行を可能にする。さらに、2台または4台のシステムをクラスター化することで、より大規模なモデルや多数のAIエージェント、複雑なAIワークフローまで柔軟にスケールできる。さらに、Windows対応モデルとして提供予定の「Dell Pro Precision with GB300」は、企業がすでに管理しているWindows環境で、最大748GBのコヒーレントメモリと20ペタフロップスのFP4演算性能をデスク上で可能にする。
また、モジュラー型インフラに向けて提供する「Dell Modular Data Center with NVIDIA DSX POD」は、包括的なAI基盤を提供するリファレンスデザインとなる。このコンテナ型「Dell AI Factory」には、コンピュート、ストレージ、ネットワーク、ラックレベルの電源、水冷機構が含まれる。企業は、事前に準備した電源へ接続して利用開始でき、現地での統合作業を大幅に簡素化できる。
CPUベースのエージェンティックAI実行に向けて提供する「Dell PowerEdge M9882」サーバーは、単一の48Uラックに256基のNVIDIA Vera CPUを搭載し、モデル推論向けGPUインフラと併用して、オーケストレーション、ツール利用、コード実行、評価といったエージェント型ワークロードの実行向けに設計されている。CPU処理をGPUクラスターと分離して行うことで、企業は混合用途のサーバーを過剰に導入するなく、NVIDIA Vera CPU Rackを導入してデータセンターの電力と冷却容量を最大限に活用でき、複雑性を抑えながら自信を持って拡張できる。
Dell PowerEdge R8822サーバーは、標準的な19インチラック環境向けに、空冷式の2ソケットNVIDIA Vera CPU性能を提供する。エージェントオーケストレーションやサンドボックス化といったエージェンティックAIワークロードに最適化されているほか、強化学習、データ処理、分析にも対応し、最大4基のダブルワイドGPUをサポートすることで、AIおよび高負荷コンピュートタスクを加速する。
大規模環境の高スループット推論に向けた「Dell PowerEdge XE9810」は、Groq 3 Language Processing Units(LPU)を搭載した16台の直接水冷式コンピュートトレイによるラックスケール推論を提供する。NVIDIA LPUベースの推論は、既存のGPUクラスターを補完する分離型の選択肢として、高スループットが求められる本番環境のエージェンティックAIに適している。
さらに、モバイルなどネットワークエッジのAI需要に向けては、「Dell PowerEdge」サーバー上で稼働する新しいNVIDIA Aerial RAN Computer(ARC)プラットフォームが、通信サービスプロバイダーに対して、ネットワークエッジでAIを処理するためのブループリントを提供する。これにより、RANワークロードとAIワークロードを別々のサイロ化されたシステムで動かすのではなく、同一のコンピュート基盤上で共存させることができ、総所有コストを削減するとともに運用を簡素化する。