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NEC、時系列データのリアルタイム分析向け新技術を開発 高い精度を維持しながら高速な判断を可能に

 日本電気株式会社(以下、NEC)は6日、時系列データのリアルタイム分析において、高い精度を維持しながら高速に判断するAI技術を開発したと発表した。必要な情報が集まり次第直ちに解答する「早押しクイズ」のような、複雑な意思決定を行う際にみられる脳活動の知見を応用して開発したという。

 顔認証やサイバー攻撃の検知・分析を行うAI分析エンジンでは、あらかじめ設定した量のデータをすべて取得してから分析し、結果を出すのが一般的であり、例えば顔認証を活用した入退場ゲートでは、複数フレームの画像を連続して撮影しデータを蓄積してから、それらを総合的に判断することで個人を認証している。

 これに対して、今回発表されたのは、すべてのデータの蓄積を待たず、データを取得しながら同時に分析していく技術「SPRT-based algorithm that Treat As Nth-Order Markov Series(SPRT-TANDEM)」。所望の信頼度(もっともらしさ)が得られたタイミングでデータ収集を打ち切り判断するため、認証や検知・分析を高速化できるとのこと。また、あらかじめ設定した量のデータすべてを取得する場合は、より高精度な判断が可能とした。

簡単な問題は素早く、難しい問題はじっくりと考えて答えを出す

 NECでは、「エビデンスの強弱が多様かつ断片化された情報を総合評価して、できるだけ速く、正確に判断を下さなければいけない」といった、複雑な意思決定を行う際にみられる脳活動の知見を応用して開発したと説明している。

 なお同社によれば、同技術を顔認証やサイバー攻撃の検知・分析に適用すると、既存の手法と同等の精度を維持しながら、処理速度を最大20倍高速化することが期待されるとのことだ。

 なたNECは今後、同技術の顔認証AIエンジン「NeoFace」への搭載を目指すほか、サイバー攻撃の検知・分析の速度・精度の向上など、時系列データを活用する領域全般への適用を検討していく考えである。

顔認証入退場ゲートにおける適用イメージ