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チェック・ポイント、多数の製品を再編したリモートワーク向け統合ソリューション「Harmony」

“ニューノーマル”時代のサイバー攻撃に対抗する2021年の製品戦略も発表

 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社(以下、チェック・ポイント)は3月23日、リモートワーク向け統合セキュリティソリューション「Check Point Harmony」を発表した。

 また同日には、2021年に向けたチェック・ポイントの製品戦略、および新ソリューションの概要についてオンライン説明会を開催した。

リモートワーク向けソリューションを統合して提供

 「Check Point Harmony」は、エンドポイント、ブラウザ、メール、リモートアクセス向けセキュリティコンポーネントを一元的に管理し、あらゆるユーザーのデバイスと社内ネットワークを既知または未知の攻撃から保護する、統合的なリモートワーク向けソリューション。これにより、企業保有または従業員のBYOD(私有端末)およびインターネットの接続を既知/ゼロデイの攻撃から保護するとともに、管理が容易な単一ソリューションとして業務用アプリケーションに対するゼロトラストアクセスを実現するという。

 チェック・ポイント 代表取締役社長の西村雅博氏は、コロナ禍におけるサイバー攻撃の状況について、「新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの企業がリモートワークを実施しているが、これにともないサイバー攻撃のパンデミックが起こりつつある。ビジネスデータがさまざまな場所に散在していることに加え、リモートユーザーは攻撃されやすい環境で仕事をしている。こうしたリモート環境を狙った攻撃が世界的に急増しており、その攻撃対象面はさらに拡大している」と指摘。

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ 代表取締役社長の西村雅博氏

 「そこで当社では、ニューノーマルでのサイバーセキュリティの役割を再定義し、2021年は、リモートワーク環境やエンドポイント&モバイル環境、パブリック・マルチクラウド環境において、『高度なセキュリティ対策』、『シンプルかつ高いROI』、『統合化した効果的な対策』といったユーザーが最も切迫したサイバーニーズに最適なソリューションを提供していく」と、2021年の製品戦略を発表した。

2021年の製品戦略

 「具体的には、チェック・ポイントが持つ多数の製品ファミリ、80を超す製品ラインアップを再編し、『ネットワークセキュリティ』、『クラウドセキュリティ』、『ユーザー&アクセスセキュリティ』の3つのセグメントに分け、戦略的に顧客に提供していく。すでにネットワークセキュリティでは『Quantum』シリーズ、クラウドセキュリティでは『CloudGuard』シリーズを展開しているが、今回、ユーザー&アクセスセキュリティを担う新たなシリーズとして『Harmony』をリリースする。さらに、これらを支える統合管理製品として『Infinity-Vision』、脅威インテリジェンス製品として『ThreatCloud』を展開する」と、新たな製品戦略の概要と「Check Point Harmony」の位置づけについて説明した。

チェック・ポイントの新たな製品ポートフォリオ

 「Check Point Harmony」の製品構成としては、安全なリモートアクセスを実現する「Harmony Connect」、ウェブセキュリティを包括的に確保できる「Harmony Browse」、ユーザーのメールおよび生産性アプリを保護する「Harmony Email&Office」、エンドポイントや端末を包括的に保護する「Harmony Endpoint&Mobile」を統合化しており、リモートワーク向けのセキュリティ対策をクラウドで一元的に提供する。

「Check Point Harmony」のソリューション概要

 チェック・ポイント システム・エンジニアリング本部 本部長の小林正則氏は、「『Check Point Harmony』には、ユーザーデバイスアクセス向けに、エンドポイントセキュリティ、クラウド型ネットワークセキュリティ、クライアントレスの安全な接続、安全なメール&オフィス、安全なインターネットブラウジング、安全なモバイルアクセス――といった、6つのセキュリティ機能が統合されている。さらに、単一のクラウドポータル『Infinity Portal』から、ポートフォリオ全体を一元管理することができる。これにより、360°のユーザー保護、マルウェア保護、フィッシング保護、データ保護を実現し、あらゆる脅威からリモートワーク環境を守る最高レベルのセキュリティ基盤を容易に導入することができる」としている。

システム・エンジニアリング本部 本部長の小林正則氏

 「Check Point Harmony」を構成する各製品の主な特徴としては、「Harmony Connect」は、あらゆるユーザーまたは支社によるリソースへの安全なアクセスを可能にするとともに、さまざまなデバイス、ブラウザからのクライアントレスのゼロトラストネットワークアクセスに対応する。

「Harmony Connect」の機能概要

 「Harmony Browse」は、レイテンシの増加やトラフィックの再ルーティングを回避しながらすべてのSSLトラフィックをエンドポイントで直接検査することで、安全、迅速かつプライバシーが確保されたウェブ閲覧を可能にする。未知のマルウェアのダウンロードやフィッシングサイトへのアクセスを阻止し、企業のパスワードの再利用を防止する。また、ユーザーの閲覧履歴のプライバシーを確保することで、データ保護関連規制にも順守する。

「Harmony Browse」の機能概要

 さらに、Harmony独自のコアコンポーネントであり、ナノエージェントとしてユーザーのブラウザに簡単に実装できるため、セキュアWebゲートウェイやエンドポイントセキュリティソリューションと合わせて使用することで、セキュリティを強化することができる。

 「Harmony Email&Office」は、ユーザーのメールクライアントのセキュリティを強化し、Microsoft Office 365やExchange、Google G Suiteなどを包括的に保護する。

「Harmony Email&Office」の機能概要

 「Harmony Endpoint」は、ランサムウェア、フィッシング、マルウェアからユーザーのPCを保護し、自動的な検出や対応、修復機能で攻撃の影響を最小限に抑える。また、「Harmony Mobile」は、悪意のあるアプリやネットワークおよびOS攻撃から従業員のモバイル端末を保護する。

「Harmony Endpoint&Mobile」の機能概要