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NEC、「GIGAスクール構想」の実現を支援する教育クラウドサービスを強化

教育向けPCやアクセスポイント、教育支援サービスなども拡充へ

 日本電気株式会社(以下、NEC)は25日、国が掲げる「GIGAスクール構想」の実現に向け、教育機関を対象とした教育クラウドサービス「Open Platform for Education(OPE)」、学習者用端末、教育支援サービスなどの製品群を拡充すると発表した。

 「OPE」は、GIGAスクール構想で導入される学習者用端末から、全教科対応ドリル教材、実践的英語力を鍛える教材、プログラミング教材などを、シングルサインオン(SSO)でシームレスに利用できるクラウドサービス。

 一方、政府では、学校の臨時休校などの緊急時においても、児童生徒の学びを保障する仕組みとして、学びの保障学習オンラインシステム(通称:MEXCBT)の構築を進めており、このMEXCBTと連携するシステムの入り口は「学習eポータル」と呼ばれている。

 NECでは「OPE」において、このMEXCBTとの接続や学習eポータルとしての機能を強化する考えで、文部科学省から2021年度以降に予定されている指針が提示されしだい、順次提供を開始していくとした。

 また同社は、株式会社日教販と協業を通じ、主要各社の学習者用デジタル教科書への対応を実施するほか、新たに10社以上と連携して、ドリル教材等に加え、電子辞書アプリや学習支援ツールなどの各種デジタル教材を拡充するとのこと。

 ハードウェアについては、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応した学習者用端末、学校向け無線LANアクセスポイント「UNIVERGE QX-W1120」を新たに製品化する。

 このうち学習者用端末は、Wi-Fi 6への対応に加え、PC本体へ収納できる充電式デジタイザーペンやHDMIに対応したChromebookである「NEC Chromebook Y3」、およびWindows10搭載の「VersaPro Eシリーズ タイプVR」をラインアップした。

 価格は、Chromebook Y3とVersaPro Eシリーズ タイプVRがオープン、UNIVERGE QX-W1120が9万8000円(税別)で、Chromebook Y3とUNIVERGE QX-W1120は6月、VersaPro Eシリーズ タイプVRは8月の出荷開始を予定する。

NEC Chromebook Y3
VersaPro Eシリーズ タイプVR
UNIVERGE QX-W1120

 さらにNECでは、主体的で探究的な学びと社会との接続や非認知能力の向上を目指し、教育支援サービスについて実証実験を進めているとのことで、3つのサービスについて、2022年度以降の製品化を目指している。

 具体的には、新学習指導要領で重視されるアクティブラーニングやグループ学習における「発話」を可視化するサービス「協働学習支援サービス」の実証実験を、京都市内の小中学校で実施中。

 また、学校現場での新たな授業形態であるProject Based Learning(探究学習)を、学習者が時間や場所や立場を超え、オンラインで実践することのできるプラットフォーム「Online PBL(Project Based Learning) Platform」、高校生が社会人や大学生に進路相談することで、自身の歩みたい進路探しや、なりたい職業までのパスの具体化を支援する「オンライン進路相談プラットフォーム」の製品化も計画している。