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NEC、GIGAスクール構想 第2期の推進に向けた新モデル「NEC Chromebook Y4」を販売

NEC Chromebook Y4

 日本電気株式会社(以下、NEC)は3日、政府が推進するGIGAスクール構想第2期に向けた教育ICT事業強化の一環として、学習者用端末「NEC Chromebook Y4」の販売を開始した。

 NEC Chromebook Y4は、従来モデルと同様の360度回転するディスプレイにより、ノートPCにもタブレット端末にもなるデザインを採用しつつ、CPUやメモリ、通信機能など基本性能を強化した。さらに、従来モデルにおける使用事例や修理履歴を基に、筐体の強化や耐久性確認試験の改善を行った。

 安全性対策の強化では、液晶ディスプレイとキーボードをつなぐヒンジに配したケーブルについて、開閉によるダメージリスクを軽減する構造を採用した。また、ショートが起きにくい基板設計を採用し、電源供給ケーブルにはすべて保護回路を追加した。さらに、異物の侵入を防ぐため、開口部を筐体の左側面へ集約し、机上の鉛筆の芯などが誤挿入しないよう接地面からの高さを改善するなど、発煙・発火防止対策を強化した。

 堅牢性と耐久性の強化では、従来モデルの修理事例で4割以上を占めた、落下による筐体天板の破損を低減するため、端末の外周をゴムのような弾力性と硬質プラスチックのような強さを併せ持った素材(TPU)で覆った。また、グリップ感があり持ちやすく傷が目立ちにくい表面加工の採用、ゴム足の接地面積の拡大、ゴム足の劣化や紛失時に交換可能な構造を採用した。さらに、従来モデルに対する利用者からの要望を反映し、キーボードのキートップ外れと隙間への異物の挟み込みの抑制、底面の固定ネジへの脱落防止リングの追加、バッテリー取り外し機構の採用も行った。

 学校での使用を想定した耐久性確認試験も強化し、従来実施していた米国MIL規格準拠の試験に加え、従来モデルの修理事例に基づき、既存の耐久性確認試験の強化や追加を行った。具体的には、液晶ディスプレイに過度なストレスを掛ける、開閉の繰り返しや筐体に衝撃を与えるといった既存の試験に対しては、試験回数や衝撃の加速度を増加した。さらに、さまざまな使用状況での落下を想定した試験、ランドセルに収納して通学することを想定した加圧振動試験などを追加し、学校での使用時に起こり得るトラブルへの耐久性の確認を実施する。

 また、従来モデルの導入や運用、保守サポートで培った経験を生かし、導入支援や保守などの周辺サービスも強化することで、児童・生徒の学びを止めないスムーズな端末の入れ替えと運用、さらなる利活用を促進する。

 多くの学校で端末を新規一括導入したGIGAスクール構想 第1期に対し、第2期では運用中の既設端末からのスムーズかつ段階的な入れ替えが必要となる。これを考慮し、出荷時に管理コンソールへの登録作業やラベル貼りなどをNECが代行する。また、充電保管庫に納品する導入支援、既設端末のリユース・リサイクルを促進する買い取り、データ消去など、各種サービスを提供する。

 円滑な運用とさらなる利活用支援に向けては、補助金対象の予備機(最大15%)を保管し、修理後に管理コンソールへの再登録まで一元管理を行う予備機運用サービスや、最大6年の延長保証サービスを提供する。また、ヘルプデスク「GIGAスクール運営支援センター」では、従来モデルの運用ノウハウを生かし、端末や学習アプリに関する問い合わせ対応、定期更新作業や端末・アプリケーション活用状況の報告、さらなる活用に関する相談受付を、株式会社エーピーエスと連携して提供する。

 NEC Chromebook Y4の価格はオープン。出荷開始予定は2025年2月下旬。NECは、2028年度までに200万台の提供を目指す。