ニュース

分散したデータから目的のモノを探し出す――、セゾン情報がデータを可視化するデータカタログ「HULFT DataCatalog」提供

 株式会社セゾン情報システムズは26日、データカタログ製品「HULFT DataCatalog 1.0」を12月24日に発売すると発表した。データの重要性が高まる中、どこに、どんなデータがあるのか可視化し、分散したデータの中から目的のデータを検索して見つけられる環境を構築するという。

 「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で、消費者動向も大きく変化しており、企業も変化に即座に対応することが求められている。散在している膨大なデータの中から、必要なタイミングで必要な洞察を導き出すために、素早くデータ活用ができるようなデータの見える化が必要となる。そこでDataCatalogを提供し、IT部門、ビジネス部門ともにデータを活用して、意思決定を行うデータマネジメントソリューションとして提供する」(セゾン情報システムズ マーケティング部 部長の野間英徳氏)。

 最初にターゲットとするのはHULFTユーザー。セゾン情報システムズでは、2020年9月末の実績でHULFTシリーズを1万290社、累計21万7600本販売しており、この顧客にアピールしていく。

セゾン情報システムズ マーケティング部 部長の野間英徳氏(左)、テクノベーションセンター製品開発部 プロダクトマネージャーの吉崎智明氏(右)

多くの人に、データを用いた行動を起こす機会を提供

 HULFT DataCatalogは、ひとことで言えばメタデータ管理ソリューションだ。多くの人にデータを用いた行動を起こす機会を提供することを目的としている。

 製品の特徴は、「簡単な操作性」「DataSpider Servistaとの連携」「細かな権限設定が可能」の3点で、HULFT製品との連携が可能であることから、HULFTを利用する1万社をターゲットとしていく。

 データが分散して存在しているため、システム連携が行われることで、データも変遷することになる。「データがすべて届いていれば問題はないのだが、なかなかうまくいっていないというのが今回、新製品を発売する背景となっている」(セゾン情報システムズ テクノベーションセンター製品開発部 プロダクトマネージャーの吉崎智明氏)。

 整備されていないデータは、知らない場所の、知らないシステムの、知らない仕様の、知らない人たちが作ったものといえる。これを、説明された場所にあり、どこから連携されているのかを理解し、内容・更新・構造が記され、管理者も明記されたものへと変換させるという。

 鍵となるのがメタデータ。格納場所、サイズ、作成日時、構造、種類などのメタデータを活用することで、属人性がなくなるとともに、データを根拠とした意思決定、データ分析過程におけるデータ準備コストの削減、規制準拠によるビジネスリスクの軽減が可能になるほか、冗長データの可視化によるシステムの最適化や無駄の排除につながる。

 セゾン情報システムズが提供するデータマネジメントソリューションの中では、Identification=識別に該当。IT部門もビジネス部門も、もっと自由にデータを活用し意思決定につなげていくインフラとして活用することを想定している。

Data Management Solution コンセプト

 それを実現するために、分散したデータ環境から、必要なデータを検索して見つけられるようにするとともに、データを説明することばを統一し、意味を理解して利用できるようにするという。また、データの説明、担当者、構造、関係といった知識を共有し、誰かに聞くことなく、自らデータを理解できるように支援するとのこと。

 さらに、データの信頼性を担保するため、検索データの来歴を明らかにするほか、同様の用途でそのデータを利用した人のコメントや評価から、安心してデータを選択できるようにするとした。

製品ビジョン

 これによって、例えば導入前には、必要なデータを見つけるために社内のさまざまな部門に問い合わせを行い、複数存在するデータはどちらが適切なのかを判別することが難しかったり、発見したデータが分析に値するのか判断するため、データの項目や内容を確認する必要があったりしたものが、DataCatalog導入後には、探索・発見をセルフサービスで行える上、正確な情報が記載されていることで、詳しく、正確な情報を理解できるようになるとのこと。

 またSQLについては、システム担当者にデータを抽出する依頼するか、自身でデータの編集等を行う必要があり、データがふぞろいの場合は必要な変換に時間がかかるっていたのに対し、導入後は、DataSpider Servista(DSS)を使ってデータの取得・変換、またレポートの出力をスムーズに行えるようになるとした。

 なおHULFT DataCatalogでは、DSSによるデータパイプラインの収集によって、データの発生からデータ連携を「データリネージュ」として可視化するため、情報は利用者にデータの出自を提供し、そのデータが意図するものかという信頼性を判断できるようになるとのことだ。

 「これまで、準備にかかっていた手間、かかっていたコストが大きかったが、これを削減できる。さまざまな場所に保存されているデータを使えるようになる」(吉崎氏)。

Before
After

 価格はパーペチュアルライセンスが300万円から、年間サポート費用が年間60万円から。月額ライセンスの場合は、月間17万5000円からとなる。

 発売は12月24日だが、「当社にとって4年越しの新製品。その思いを込めてクリスマスイブ発売とした」とした。