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日本HP、中小企業の新しい働き方を支援する新PCを発表 サービスをパッケージ化した「Business Boost」も
2020年11月18日 06:00
株式会社日本HPは17日、新型コロナウイルス感染症の影響で働き方が大きく変わったことに着目し、1kgを切るノートPC「HP ProBook 635 Aero G7」をはじめとした新しいハードウェアと、サービスソリューションをパッケージ化した「HP Business Boost」を発表した。12月下旬より順次発売する。
日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡隆史氏は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、一気にテレワーク利用が始まるなど大きな変化があったものの、企業規模によって格差が生まれているという調査も出ている。当社自身もCOVID-19でデジタル化への意識がどう変わったのか調査を行っているが、日本の中小企業はデジタル導入・変革への意識がアジア地域で最も低いという結果が出た。今回、日本の中小企業を元気づけるお手伝いとしてデジタル活用を支援する仕組みを提供する」とアピール。日本の中堅・中小企業のデジタル活用活性化を狙って新製品を投入したことを強調した。
今回発表した新製品について、米HP Inc.パーソナルシステムズ コマーシャルPC責任者のアンディ・ローズ氏は、「中小企業が容易に最高のテクノロジーを使用できるよう、支援する」と話した。
それを実現するイノベーションの柱として、デザイン、セキュリティ/プライバシー、パワー、持続可能性という4点を挙げる。その上で、ハードウェアに加え、修理、セキュリティ、ファイナンスをセットにして、手ごろな月額で提供するのが「HP Business Boost」だという。
このうちデザインについては、長期的に在宅勤務で働く社員が増加したことを考慮した。ノートPCのHP ProBookシリーズは、自宅、オフィスと移動しての利用を想定したデザインとなっており、省スペースでありながら大きなスクリーンと狭額ベゼルを採用。筐体などに利用する素材はプレミアム素材を利用しており、米軍調達基準のテストなど、12万時間を超えるテストを実施した。これにより、耐久性と信頼性がある製品として提供するという。
セキュリティ面では、在宅勤務でPCを利用することによって、脆弱性を狙われる危険が高まることを想定し、未知の攻撃を防御する「HP SURE SENSE」、攻撃や破損から自動的に復旧する自己修復BIOS「HP SURE START」、カメラを保護する物理的なシャッター「HP PRIVACY CAMERA」を搭載している。
パフォーマンスについては、最新プロセッサによる長時間バッテリー駆動、ノイズキャンセリング機能などオンライン会議の体験を向上、高密度のワイヤレス環境や屋外向けにWi-Fi6と4G LTEに対応した。
環境にも配慮しており、外箱と緩衝材は100%がリサイクル素材で、筐体に使われているスピーカーなども、50%以上がリサイクル素材となっている。
“ニューノーマル”を踏まえた新製品を多数発売
今回発表したハードウェアの中でも象徴的な製品が「HP ProBook 635 Aero G7」。アフターコロナの働き方が大きく変化した日本の中堅・中小企業向けにデザインされた製品で、最小重量が1kg未満、最大23時間と長時間駆動バッテリー、Wi-Fi6と4G LTE接続のオプションが用意されている。
金属のシャーシはアルミニウムとマグネシウムを使用。機械部分の62%以上はリサイクル素材を利用している。CPUには最新のAMD Ryzen4000シリーズを搭載し、オプションのPro APU、最新のAMD Radeonテクノロジーを搭載している。
在宅勤務対応として、仮想デスクトップを導入する企業向けにシンクライアント端末「HP mt32 Mobile Thin Client」も提供。やはり重量1kg未満で、AMD Ryzen 3 4300Uを搭載、約13時間の駆動時間となっている。
家でもオフィスでも高性能と拡張性を求めるユーザー向けには、高性能と拡張性を備えたデスクトップPC「HP ProDesk 405 G6」を用意した。「在宅というとノートPCを思い浮かべるだろうが、クリエイターやパワーユーザーは、ノートPCではマシンパワーに不安を持っている。そこでコンパクトな筐体設計で、長時間利用する際の目への負担に配慮した製品をお勧めしたい」(日本HP 専務執行役員 パーソナルシステムズ事業統括の九嶋俊一氏)。
HP製デスクトップ製品に、「HP Elite Display」を組み合わせて利用することで、ブルーライトを削減しながら色再現性を変更することなく、高さ調整、左右角度、上下角度、水平垂直回転などエルゴノミクスに対応した健康維持に貢献する姿勢で作業を進めることができる。省スペース化も、モニターの背面に本体を収納することで、機能的な設置が可能となる。
また、テレワークでWeb会議が多い利用者を想定し、コラボレーション機能を1台に統合したのがオールインワン型の「HP EliteOne 800 G6 AiO」だ。27型ディスプレイに、ポップアップWeb CAM、82db出力の5Wデュアルスピーカーと、集音範囲4mのデュアルインテリジェントマイクを搭載している。ビデオ会議やコンテンツ共有をシームレスに実現できる仕様で、ディスプレイは頑丈なガラスでカバーされ、クリーニングが容易になっている。音声はHPノイズキャンセリングソフトウェアによって、周囲の音をフィルタリングする。会議はワンタッチでスタート可能で、手間なく会議を開始できる。
さらにこうしたハードウェア、アクセサリー、サービスを利用目的ごとにパッケージ化し、迅速に導入できるようにしたのが「HP BUSINESS BOOST」。月額支払いにも対応し、導入のハードルを低くした。
ラインアップのうち「テレワーク全面支援パック」は、軽量で可搬性の高いスリムノートと、トラベルマウス、ミニドック、HP ENVY 6420プリンタ、保守サービスを一括で提供する。パッケージ価格は15万6200円だが、月額支払いも選択することができる。
フル在宅者向けには、「フル在宅勤務者パック」として、超小型PCのハイエンドモデル、モニターにマウント可能な対応で、34インチカーブモニターをセットにした。さらにマウス、プリンタ、保守サービスなどを含めて、価格は26万3600円。こちらも、一括購入だけでなく月額支払いを選択することもできる。
「新型コロナウイルス感染症の影響で、求められる製品が大きく変化し、一気にモバイルノートへとシフトした。個人向けノートPCを仕事で使うケースも増加し、グローバル含めてパソコン需要が2けた増と大きく伸びた。われわれは求められる層に求められる製品をお届けしていく」(久嶋氏)。
販売にあたっては、「中小企業のお客さまには、近くでサポートをしてくれる販売会社との連携が不可欠」(久嶋氏)として、全国4500社の販売パートナーとともに今回の製品を提供していく考えだ。