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IIJ、Zabbixを利用した大規模システム向け運用管理サービスを提供

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は1日、「IIJ統合運用管理サービス(UOM)」において、オープンソースの統合監視ツール「Zabbix」をマネージドサービスとして提供する「IIJ統合運用管理サービス(UOM) マネージドモニタリング for Zabbix」(以下、マネージドモニタリング for Zabbix)を提供開始すると発表した。

 「UOM」は、オンプレミスやクラウド環境など、複数の拠点に点在する企業のシステムを、IIJがユーザー企業に代わって一元的に監視・運用するサービス。システム監視・運用の中で発生する膨大なアラートを自動的にフィルタリングして、インシデント(チケット)を登録・管理し、事前に設定したルールに沿ってオペレーションを自動実行する。こうした自動化の仕組みにより、マルチクラウド/ハイブリッドクラウドの利用によって煩雑化するシステム運用の効率化を図り、運用負荷を軽減するとした。

 一方で、数百~数千台を超える大規模なシステムや多拠点システムを運用する場合、従来の監視メニューでは監視できるポイント数に限りがあるため、対応が難しいという課題があったという。そこで、大規模な機器の監視にも対応可能なZabbixサーバーを個別構築されるケースが増えていたものの、Zabbixを利用するには、ユーザー企業側でサーバーの構築や運用、チューニングなどが必要になるため、導入のハードルや運用負荷が高くなっていたとのこと。

 そこで今回、IIJのクラウド上にユーザー企業ごとの専有サーバーを構築し、チューニング済みの最適化したZabbixサーバーをマネージドサービスとして提供する「マネージドモニタリング for Zabbix」を用意した。監視設定のチューニングから、運用保守、技術サポート(Zabbix Enterpriseサポート ゴールド相当)までを一括して提供するため、ユーザー企業はアセットレスで手軽に導入できる。

 また、課金体系は監視ポイント数にかかわらず月額固定となっており、大規模なシステムを運用している場合でも安心して導入できるとのことだ。

 なお「マネージドモニタリング for Zabbix」では、Zabbixの監視機能に加え、「UOM」で提供するチケット管理や自動通知などの基本機能が標準で付帯する。このため、Zabbixから上がってくる大量のアラート処理を自動化でき、ユーザー企業の運用負荷を大幅に軽減するとしている。

 このほか、専用の閉域ネットワーク「IIJプライベートバックボーンサービス」との連携により、ユーザー企業のオンプレミスサイトはもちろん、IIJのクラウドサービス(IIJ GIO)やAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azureなど、他社クラウドにある監視対象システムまでをセキュアな閉域ネットワークで接続することが可能。マルチクラウド/ハイブリッド環境での大規模システムを安全に監視、運用できるとのことだ。

 「マネージドモニタリング for Zabbix」の価格は、月額60万円(税別)。今後、小~中規模システムに最適化した廉価版の提供も予定されている。