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TIS、SaaS型地域医療連携サービス「ヘルスケアパスポート」を提供

 TIS株式会社(以下、TIS)は、千葉大学医学部附属病院(千葉大学病院)との協業により開発したクラウド型地域医療情報連携サービス「ヘルスケアパスポート」を、9月28日より提供すると発表した。

 「ヘルスケアパスポート」は、医療従事者と生活者がカルテや処方内容、生活者の日々の健康情報を双方向で提供することにより、生活者・病院・診療所・薬局等に点在していた医療・健康情報を集約するクラウドサービス。

 地域医療情報連携システムに参加する医療機関同士で、生活者の医療・健康情報を共有したり、生活者からの情報提供の同意を受けたり、利用停止の申請を処理したりすることができ、同システムに参加する医療機関は、当該地域の中核病院で管理されているデータを含む、生活者の医療・健康情報(生活習慣、既往歴、アレルギーなど)へのアクセシビリティを確保できるという。

 一方で生活者側では、生活者はスマートフォンを通じ、医療機関などから連携される検査結果などを閲覧し、管理できることに加え、医療機関において自身の情報を適切に伝えて理解してもらえるように、日々取得するバイタルや生活習慣などをメモにして情報登録できる。

 さらに、スマートフォンなどを利用した電子的な同意(電子オプトイン)をすることで、医療機関や家族への情報共有を承認できるようになる点も特長。承認された医療・健康情報は医療従事者間で共有されるので、医療従事者はほかの医療機関の検診結果や生活者の健康情報を把握し、適切な治療や健康増進のアドバイスを生活者に行えるとした。

 システムは従来の個別システム構築型ではなくSaaS型のため、地域医療情報連携に必要な基本機能を独自に構築・運用する必要がなく、導入・運用・保守コストを削減できることから、大きな投資負担が課題であった中小医療圏でも気軽に導入を行えるとのこと。課金も利用量に応じて行われる仕組みのため、地域の中核病院や小さな自治体などでのスモールスタートが可能とした。

 また、厚生労働省により定められている医療機関データの蓄積・管理の標準的な交換フォーマット「SS-MIX2標準化ストレージ」に準拠。一般的な医療システムとの接続性も確保している。このほか、お薬手帳アプリや多職種連携システムなどのサービスと連携(API連携)できる拡張性があり、TISでは、さまざまなサービス提供者との接続によって、医療従事者や生活者に高い利便性が提供できるとアピールしている。

 加えて、要配慮個人情報を扱うため、TISの金融機関などのシステム構築で培ったノウハウを生かし、セキュリティ対策を実施。多要素認証や通信経路の暗号化などのセキュリティ技術を活用し、厚生労働省、総務省、経済産業省のガイドライン(3省2ガイドライン)に準拠している。