ニュース

電通と電通デジタル、日立の3社、生活者の声を読み解くテキスト解析プラットフォーム「mindlook」を開発

 株式会社電通と株式会社電通デジタル、株式会社日立製作所(以下、日立)の3社は24日、企業と生活者間のコミュニケーション支援を目的に、テキスト解析プラットフォーム「mindlook」を新たに開発したと発表した。電通と電通デジタルは、同プラットフォームを活用したコミュニケーションデザイン領域のコンサルティングを提供開始した。

 mindlookは、日本語のテキストデータをデータソースとして、自然言語処理を提供する分析プラットフォーム。電通グループが有するマーケティングの知見と、生活者視点で作られた独自辞書情報を活用し、SNSなどのデジタル上の生活者の声を短時間で分析することで、その声を深く理解し・反映したカスタマーエクスペリエンスデザイン(CXデザイン)を描くことを可能にする。

 日立が有する自然言語処理技術により、従来の分析軸である「ポジティブ/ニュートラル/ネガティブ」にとどまらず、81種類の感情を自動的にタグ付けすることが可能。さらに、抽出された感性をより生活者視点で解釈し、電通グループの知見で独自のラベリングを行うことで、生活者が「どの話題について」「どんな気持ちで」書き込みを行ったかを、従来以上に詳細かつ可読性のある分析が可能になったという。

 SNS運用やPR業務で培った電通グループの知見に基づく独自辞書と、それを学習する日立の自然言語処理技術の組み合わせにより、社会の変化の兆しを捉えた新語やトレンドワードも含め、生活者からの声を約800のトピックに分類。ブランドやカテゴリーに対する声をマーケティングファネル(認知/意向/体験/リピート)に分類できる。

 電通グループのアナリストやプランナーが従来時間をかけて行ってきた分析プロセスに基づいて、直感的な分析体験を提供するユーザーインターフェイスを日立のインフラ構築技術によって実現。テキストデータをアップロードするだけで、分析者が必要とする情報を視覚的に把握できるダッシュボードが構成され、簡単な操作で感性・トピック・ファネルなどのさまざまな軸によるフィルタリングを実現する。

 SNSやECサイトの評価コメントなどのインターネット上の生活者の声から、コールセンターの会話記録や問い合わせメールなど、企業内部に有する生活者の声まで、テキスト化されたさまざまなデータの分析に対応する。

 電通と電通デジタルでは、国内電通グループ各社が横断的にソーシャルメディアマーケティングサービスを提供するプロジェクト「Dentsu Engagement 360」の一環として、「mindlook」の提供を通じ、企業のマーケティング活動や生活者視点に立ったCXデザイン実現のサポートなど各種コンサルティング業務の提供、必要となるシステム実装支援にも取り組んでいくとしている。

 電通グループは、mindlookの開発に当たって、日立を協創パートナーとして選定し、電通グループの独自の辞書情報と、日立の高精度な感性分析技術を組み合わせ、共同で開発を推進した。日立は、生活者が発信する多様かつ大量のテキストデータの処理に対応するシステム基盤の開発から運用保守まで、トータルにmindlookを支援するとしている。