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仮想化試験・評価環境をオンデマンドで構築――、アライドテレシスが統合型ラボプラットフォーム「Tokalabs」の国内展開を推進

 アライドテレシス株式会社は19日、統合型ラボプラットフォーム「Tokalabs」の国内展開を推進していくと発表した。

 Tokalabsは、ネットワークやアプリケーションなどを組み合わせたテストラボ環境のサンドボックス環境を、オンデマンドで作るプラットフォームで、同社では「Software Defined Labs」と呼んでいる。企業内に設置するオンプレミス型やクラウド型などの形で提供するという。

 Tokalabsは、米国子会社Allied Telesisの社内ベンチャーとして2016年にスタートし、販売展開している。2020年6月には、米国空軍研究所とスタートアップ支援のMassChallengeが選んだTop10に選出。その実績をもとに、日本でも販売できるようになったと判断して展開を開始するという。

 9月から国内で販促を開始し、10月からPoC展開、2020年末に一般向けに公開する予定。

統合型ラボプラットフォーム「Tokalabs」
日本での展開スケジュール

ネットワーク試験用のサンドボックスをオンデマンドで作る

 8月19日に開催された記者発表会において、アライドテレシス株式会社の永野忍氏(取締役 ソリューションエンジニアリング本部長)は、これまでのアライドテレシスの経験から、テストプロビジョニング作業をソフトウェアを通じて一元的に抽象化し、効率化するものだと説明した。

 またTokalabsの内容については、アライドテレシス株式会社の中島豊氏(上級執行役員 サイバーセキュリティDevops本部 本部長)が説明した。

アライドテレシス株式会社の永野忍氏(取締役 ソリューションエンジニアリング本部長)
アライドテレシス株式会社の中島豊氏(上級執行役員 サイバーセキュリティDevops本部 本部長)

 Tokalabsでは、ネットワーク機器、PC・サーバー、パケットジェネレータ解析、ハイパーバイザー・仮想端末、パブリッククラウドなどのリソースを組み合わせてテスト環境を作れる。こうしたリソースと同時に、リソースを組み合わせたトポロジーや、テストシナリオなどを管理可能だ。

Tokalabsの概要
Tokalabsの管理対象

 機能としてはまず、ユーザーごとの試験環境を作成するオンデマンドサンドボックスがある。ユーザーごとに構成管理をテストベッドに投入すると、時間がくるとテストベッドを他社が使えないよう、他者をブロックしてセットアップ。試験を記録・レポートし、終了したらテストベッドを解放する。

 次の機能としては、100% Web UIによるテストベッド管理がある。評価資産を選択し、構成情報を設定することで、試験を実行する。

 3つめの機能としては自動化ツール連携を提供。例えば、Jenkinsと連携してGitHub上のソースを取得したり、クラウドにデプロイしたりできるという。

3つの提供機能
提供機能①:オンデマンドサンドボックス
提供機能②:テストベッド管理
提供機能③:自動化ツール連携

 利用シーンも3通り紹介された。

 1つめは、グローバルネットワーク機器評価。国際拠点間でネットワーク機器などの評価資産と評価結果を共有し、時差を生かして評価や原因追究を容易にする。

 2つめはクラウドアプリケーション評価で、アプリケーション評価やパフォーマンス評価、ECサイト評価など、評価内容ごとに共通資産から異なる構成を作成して評価する。

 3つめのセキュリティ環境試験では、時間が終わると環境がリセットされるというサンドボックスの特徴から、シナリオごとに環境を用意して攻撃をシミュレーションする。

利用シーン①:グローバルネットワーク機器評価
利用シーン②:クラウドアプリケーション評価
利用シーン③:セキュリティ環境試験