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アラクサラ、ネットワークの状態を直観的に3D表示する「AX-3D-VIEWER」を製品化
2020年8月18日 13:13
アラクサラネットワークス株式会社(以下、アラクサラ)は18日、独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)の開発した「NIRVANA改」をベースに、ネットワークの状態を直観的に3D表示する「AX-3D-VIEWER」を製品化すると発表した。
アラクサラでは、実際のネットワークに流れるパケットデータやネットワーク機器のMIB情報を収集・分析し、ネットワークトラフィックの状況や機器の運用状況をリアルタイムに可視化可能なソリューションを2018年より提供してきた。このソリューションでは、例えばクラウドサービスに向かう通信のボトルネック解析など、今まで見えなかった通信や検知できなかった異常の把握、分析を行えるほか、パケットデータを通信ログとして長期間蓄積保存でき、ユーザーにおけるセキュリティインシデントの解析を支援してきたという。
しかし従来のソリューションでは、トラフィックの状況を時系列グラフで表示したり、トラフィックのフロー情報をリストで一覧表示したりすることは可能だったものの、こういった情報だけでは、輻輳(ふくそう)の発生している個所、通信が途切れている個所の特定や、異常な通信を直観的に把握することは容易ではなかったとのこと。
今回発表されたAX-3D-VIEWERは、こうした課題を解決するための製品で、ネットワークマップ上にて、トラフィックフローを3Dでわかりやすくリアルタイム表示することができる。これにより、例えば、平常時のトラフィックの流れや、輻輳の発生、通信の途切れ、想定外の通信などの異常、また経路を冗長化しているシステムでの、障害時の切り替わりの様子などを、直感的に把握できるようになるという。
加えて、表示するトラフィックをあて先やプロトコル、サブネットなどでフィルタする機能を備えており、特定の通信のみに絞った状況確認に対応。トラブル発生時の要因の特定作業を支援するとした。
このほか今後は、ネットワーク機器の障害やセキュリティインシデントなどのアラートの発生個所を表示し、アラート発生個所をドリルダウンする直観的な操作により、詳細内容の確認を行える機能を搭載予定。Webブラウザ上に複数の画面を一括表示できるマルチ画面表示機能や、過去にさかのぼった事象の録画機能も追加が予定されている。
なおAX-3D-VIEWERは、ネットワークの可視化・異常検知ソリューションを構成する製品の1つとして位置づけられ、ネットワークのトラフィックを収集し、データ加工を行う「AX-Sensor」からの出力先として設置する。
また、トラフィックデータの詳細分析を行う「AX-Collector」を併用することにより、AX-3D-VIEWERで事象を直観的に把握した後、AX-Collectorで詳細分析を行うといった、ネットワーク可視化の一連の運用作業を実行できるとしている。
価格は、年間ライセンスが200万円(税別)から。