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理研と富士通が共同開発するスパコン「富岳」、TOP500ランキングで1位を獲得
「京」以来、8年ぶりの1位に
2020年6月24日 17:03
理化学研究所(理研)と富士通株式会社は22日、共同開発しているスーパーコンピュータ「富岳」が、スーパーコンピュータの性能ランキングである第55回TOP500リストをはじめ、3つの国際的なランキングで1位を獲得したと発表した。なお、日本のスーパーコンピュータがTOP500で第1位を獲得するのは、前身となる「京」が2011年11月(第38回)に獲得して以来とのこと。
今回、TOP500リストに登録した「富岳」のシステムは、396筐体(15万2064ノード、全体の約95.6%)の構成で、ランキングの指標となるLINPACK性能は415.53PFLOPS(ペタフロップス)、実行効率は80.87%となる。なお、2020年6月時点のTOP500のランキング2位は米国の「Summit」で、測定結果は148.6PFLOPSとなっているため、2位とは約2.8倍の性能差があるとした。
また同時に、産業利用など実際のアプリケーションでよく用いられる共役勾配法の処理速度のランキング「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」、AIの深層学習で主に用いられる単精度や半精度演算処理に関する性能ベンチマーク「HPL-AI」においても、世界1位を獲得した。
このうちHPCGの測定には「富岳」の360筐体(13万8240ノード、全体の約87%)を利用し、1万3400TFLOPS(テラフロップス)のベンチマークスコアを記録している。
一方のHPL-AIは、これまで倍精度演算器の能力を測定してきたTOP500やHPCGなどと異なり、人工知能計算などで活用されている単精度や半精度演算器などの能力も加味した計算性能を評価する指標として、2019年11月に制定された新たなベンチマーク。
こちらの測定については、「富岳」の330筐体(12万6720ノード、全体の約79.7%)を用いて、1.421EFLOPS(エクサフロップス)のベンチマークスコアを記録した。HPL系ベンチマークで1エクサ(10の18乗)を達成したのは世界で初めてになるとのことだ。
☆お詫びと訂正用囲み
【お詫びと訂正】
- 初出時、富士通の発表をもとに「第58回TOP500リスト」と記載しておりましたが、第55回が正しい回数となります。お詫びして訂正いたします。