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ウイングアーク、人とシステムをつなぐコミュニケーションツール「DEJIREN」 システムを連携させチャットボットで業務を自動化

オンライン記者説明会レポート

 ウイングアーク1st株式会社は15日、異なるシステムやクラウドサービスを連携・接続し、業務を自動化できるコミュニケーションツール「DEJIREN(デジレン)」の販売を開始すると発表した。

 なお同日には「DEJIREN」の開発背景や製品概要について、オンラインで説明会が行われた。本稿では、その様子をレポートする。

異なるシステム・サービスを連携・接続して業務を自動化

 「DEJIREN」は、企業で働く人とビジネスで必要となるさまざまなシステムやサービスをインタラクティブにつなぎ、データに基づいた意思決定を加速させるクラウドベースのコミュニケーションツール。異なるシステム・サービスを連携・接続することで業務を自動化し、メールやスケジュールなど日常のコミュニケーションをチャットボットで通知するなど「DEJIREN」プラットフォームで一元管理することが可能となる。また、ノンプログラミングで直感的なUIによって、専門的な知識がなくても業務の自動化を推進できる。

 ウイングアーク1st 執行役員CTOの島澤甲氏は、「DEJIREN」の開発背景について、「データが持つ役割と価値は、時代によって変化してきた。オンプレ時代の第一世代は経営層、第二世代は管理層が活用するものだったが、クラウド時代となった現在は、データを全社活用する第三世代に入っている。そして次の第四世代では、他社やグループ企業など別組織とのデータ流通が求められると考えている。今回、この第三世代と第四世代のデータ活用に向けた新たなコミュニケーションツールとして『DEJIREN』を開発した」としている。

ウイングアーク1st 執行役員CTOの島澤甲氏

 「現在、企業間の情報連携は、お互いの基幹システムが異なるため、データ流通ができず、電話やFAX、メールなどアナログで行われているケースが多い。これがグループ企業などで複数の関係者で行われると、生産性の低下を招くことになる。『DEJIREN』では、企業間の異なるシステムをインタラクティブに接続し、情報連携の自動化とコミュニケーションを実現する。これにより、人は意思決定だけに専念できるようになり、人とシステムが会話する、情報連携の新たなスタイルを提供していく」(島澤氏)との考えを述べた。

 「DEJIREN」を構成する主な機能としては、APIを使ってさまざまなシステムやサービスと連携する「コネクター」、ユーザーとシステムのコミュニケーションを行う「ボット」、そしてノンプログラミングで業務フローを自動化できる「アクションフロー」の3つを提供する。

「DEJIREN」のサービス構成要素

 「コネクター」では、情報活用ダッシュボード「MotionBoard」と文書データ活用ソリューション「SPA」のコネクターを用意しており、簡単に連携することが可能。「MotionBoard」の接続データソースは、オンプレミスデータからクラウドサービス、IoTデバイスなど100以上に対応しており、接続先のデータソースから分析された情報をもとにグラフや地図・レポートに変換することができる。また、「SPA」は紙のようなアナログデータもAI-OCRでデジタルに変換し、デジタル文書の保管連携が可能となる。

「MotionBoard」と「DEJIREN」の連携

 「ボット」では、必要な情報を問い合わせると自動的にデータを取得し、通知するチャットインターフェイスを提供する。これにより、システムと人のインタラクティブなコミュニケーションを実現し、データに基づいた意思決定を支援する。

チャットボット画面

 「アクションフロー」では、ノンプログラミングで業務フローを自動化できる直感的なUIを提供する。自動化の処理設定は、コネクターと条件分岐、アクションのパーツを配置するだけで、コーディングレスで異なるシステム・サービスを連携・接続することができる。

「アクションフロー」の画面

 「DEJIREN」を活用して、社内外に蓄積・流通するデータを組み合わせることにより、例えば、「スケジュールの遅延や設備異常、在庫の不足などを『ボット』に通知させる」、「投入したデータファイルが自動で仕訳され適切なシステムに格納される」、「『ボット』に取引先についての問い合わせを行い、複数のシステムにまたがる情報がリアルタイムに組み合わされて通知される」、「必要なレポートをリアルタイムで集計し、スマホから確認する」といったアクションを自動で実行できる。そして、これらの情報をもとに、個人やチームは状況判断を行い、業務をスムーズに完結させることが可能となる。

 同社では、今後さまざまな外部ベンダーのアプリケーションや技術を「DEJIREN」と連携していく予定。人手が介在する業務を自動化することで効率化を図り、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献していく考え。

 「DEJIREN」の価格は、初期費用が10万円(開始月のみ)、基本ライセンスが月額7000円/10ユーザー。年間契約で、アクションフロー/3、データストレージ/100GB、ブリッジサービス/1が含まれる。