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日立、ネットワーク運用・設計現場の業務効率化や障害対応を支援するAI解析技術を開発
2026年2月12日 13:07
株式会社日立製作所(以下、日立)は10日、通信キャリアなどで日々行われるネットワークの監視や障害対応、機器の設定変更、工事計画など多岐にわたる運用・設計業務を効率化し、現場の迅速な対応を支援するAI解析技術を開発したと発表した。
こうした現場では、ネットワーク構成図やトラブル対応記録など、表やデータベースのように項目や形式が決まっていない「非構造化データ」が多く保存されており、これらのデータは自由な形式で記録されているため、従来のAIでは十分に解析できず、必要な知識やノウハウをすぐに活用できないことが、対応の遅れや業務負担の増加といった課題につながっていたという。
日立はこの課題に着目し、ファイル内部に記録されたXML情報と画像情報を組み合わせたクロスモーダル解析により、非構造化データを自動で整理・読み取ることを可能にした。
開発したAI技術は、ネットワーク構成図や日々の運用記録など、形式の異なる多様な現場データを2段階のクロスモーダル解析により、自動で整理・構造化する。具体的には、第1段階ではデータ全体を広い視点で捉えるため、XML情報(ファイル内の記述内容)の解析と画像解析を個別に行う。次に第2段階では、第1段階におけるそれぞれの解析結果を照合し、一致した部分はそのまま確定し、不一致となった部分についてはより細かく注目する範囲を絞ることで、認識精度を高める。
この技術を、公開ネットワークモデルのJPNMで効果を検証したところ、図形の関係性を正確に認識するとともに、見逃しや思い込みによる誤認識を防ぎ、従来の単一モーダル解析と比べて、ネットワーク構造図や対応記録の自動認識精度が約80%に達する見込みが得られた。これにより、現場で蓄積された多様なデータを誰もが活用できる知識やノウハウとして提供し、生成AI活用による運用効率化や障害対応の迅速化を支援する。
日立は今後、通信キャリアやデータセンター事業者などの顧客とのPoCを通じて、技術の実用性と精度の妥当性を定量的に検証し、技術の高度化を進める。技術をLumada 3.0を支える基盤技術の一つとして強化し、安心・安全なデジタル社会の基盤づくりに貢献するとしている。
