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Hyper-VベースのHCI環境を容易に導入・運用可能――、NECがAzure Stack HCIのHCIソリューションを提供

SMB向けの安価なエントリーモデルもラインアップ

 日本電気株式会社(NEC)は15日、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)ソリューション「NEC Hyper Converged System」において、Microsoft Azure Stack HCI対応製品「NEC Hyper Converged System for Microsoft Azure Stack HCI」を、同日より販売開始すると発表した。

 「NEC Hyper Converged System」は、HCIを構築するための事前検証済みサーバー、ソフトウェア、関連サービスなどをあわせて提供するソリューション。サーバーハードウェアのみならず、ユーザー企業のサーバー環境情報に基づいた仮想化基盤提案を無償で行う「仮想化アセスメントサービス」や構築サービス、運用管理ツール、保守サービスなどをあわせて提供することにより、HCIの導入・構築・運用・保守にかかる作業工程を短縮し、短期間導入を実現するという。

 NECではすでにVMware vSANベースでの提供を行っているが、今回発表した「NEC Hyper Converged System for Microsoft Azure Stack HCI」は、Windows Server/Hyper-VベースのHCIソリューション。Windows Server 2019 Datacenterの持つ「Storage Spaces Direct(S2D)機能」によってサーバーの内蔵ストレージを統合し、共有ストレージとして利用する。

 従来と同様、ソリューションにはHCI構成に必要なソフトウェアがすべて含まれているほか、Windows Server 2019 Datacenterのライセンスでは、Windows Serverベースであれば仮想マシン(VM)ごとのライセンスも不要になるため、一般的なHCIに比べソフトウェアライセンスのコストを大幅に削減できるという。

 また、付属する運用管理ツール「Windows Admin Center」により、HCIのCPU、メモリ、ストレージの使用状況を容易に把握可能。さらに、NECサーバー専用の拡張機能「NEC ESMPRO Extension for Windows Admin Center」を併用すると、サーバーの詳細情報も確認できるため、導入後の運用負荷を軽減可能とのこと。なお、これらの管理ツールの具体的な操作手順について解説した、独自の運用ガイドもあわせて提供する。

Windows Admin Centerの画面イメージ
NEC ESMPRO Extension for Windows Admin Centerの画面イメージ

 ラインアップとしては、1Uモデル(1ノード)の「スタンダードモデル」と、ストレージ容量を重視した2Uモデル(1ノード)の「大容量モデル」を用意する。価格(以下、すべて税別)はそれぞれ、760万円から、826万9400円から。いずれもクラスタノード2台、Windows Server 2019 Datacenterライセンスを含めた価格である。

 今後は、無停電電源装置(UPS)の導入を支援するUPS構築サービスも、6月以降、メニューに追加される予定だ。

スタンダードモデル
大容量モデル

 加えて今回は、導入コストが原因でHCIの導入を見送っていた中堅・中小企業向けに、コストパフォーマンスを高めた「2ノードエントリHCIモデル」を製品化した。小規模仮想化構成のMicrosoft Azure Stack HCIに適したWindows Serverライセンスを活用し、小規模サーバーの仮想化統合に適したハードウェア構成を採用することで、可用性は確保しながら、導入コストを通常のモデルに比べて61%削減しているという。

 また、障害時の自動フェールオーバー機能や、VMのライブマイグレーション機能も利用でき、中堅・中小企業における仮想化システムの安定した運用を支援するとのこと。

 価格は、クラスタノード2台、Windows Server 2019 Datacenterライセンスを含め、298万円から。5月末の提供開始を予定している。

2ノードエントリHCIモデル