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IoTエッジインフラの利用用途は「AIによるデータ分析」が増加へ、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は8日、「2020年 国内IoTエッジインフラストラクチャ調査:インテリジェントエッジ利用状況」を発表した。同社が、IoTプロジェクトを推進している国内企業・団体の経営層、事業部門長、部課長、係長、主任クラスを対象として、2020年1月にアンケート調査を実施。564の組織から得られた回答をもとに取りまとめている。

 この調査では、IoTインフラユーザーにおける、IoTエッジインフラの利用形態、およびベンダー選定基準について調査している。

 それによると、IoTエッジインフラにおける制御や分析処理で最も重要なものは、現在は「OT(制御システム)の監視」、3年後は「データ分析(AIを利用した深層学習)」が最上位項目になった。現在でも回答者の4割弱がデータ分析処理と回答しているが、3年後ではデータ分析処理を選択する割合が増加し、回答者の半数近くに達しているという。

 データ分析処理をIoTエッジインフラで行う理由では、「データ処理が速い」が最上位項目となったほか、分析処理で使用するデータに関しては、3年後は「画像データ(動画)」が最上位項目となった。これについてIDC Japanでは、AIによる画像認識精度の向上が進む中で、IoTエッジインフラにAI技術を搭載し、動画をデータ分析に活用するケースが増えてくると分析している。

 エンドポイントから分析用データを収集するタイミングでは、「常時(ストリーミング)」が現在、3年後ともに最上位になったほか、収集したデータをIoTエッジインフラで保存する期間についても、「1年以上」が同様に最上位項目となったが、「常時(ストリーミング)」「1年以上」を選択した割合は、現在よりも3年後の方がいずれも高かったとのこと。

 このことから、データ収集をストリーミング方式で行うケースが増え、かつデータ保存期間がより長くなって、IoTエッジインフラの分析処理で使用されるデータ量が増大すると考えられるため、IDC Japanでは、インテリジェントエッジのニーズ拡大につながると指摘している。

 また、最も重要な処理を行うIoTエッジインフラの採用意向に関する質問では、現在は回答者の5割以上が汎用サーバーを選択したものの、3年後の採用意向ではこれが減少し、IoTエッジ専用製品、クラウドサービス事業者のIoTエッジサービスを選択する割合が増加したとのことだ。