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TISの「MaaSプラットフォームサービス」、ゆいレールとやんばる急行バスの電子チケットなどで採用

 TIS株式会社は17日、同社の「MaaSプラットフォームサービス」が、沖縄都市モノレール株式会社と合同会社やんばる急行バスの電子チケットで採用されたと発表した。

 今回「MaaSプラットフォームサービス」が採用されたのは、沖縄都市モノレールが運行する「ゆいレール」の1日/2日乗車券と、やんばる急行バスが運行する「やんばる急行バス」の乗車券、および両社の協力により実現した連携乗車券。

 従来、「ゆいレール」の企画乗車券はQRコードを紙に印字していたが、今回はスマートフォンにQRコードを表示させ、「ゆいレール」の改札機で利用することが可能になった。今回の実証実験では、スマートフォン対応をする際に必要なセキュリティなど、機能面の検証と、改札機での円滑な処理といった運用面を検証する。なお、QRチケットの企画乗車券をスマートフォンに対応させ、改札機で処理を行うのは、全国でも初めての取り組みになるという。

 また「ゆいレール」と「やんばる急行バス」の連携乗車券は、都市中心部の交通渋滞を避けるための手段として、2月3日より販売されているもの。「やんばる急行バス」は、沖縄本島北部と中南部を直結する高速バスだが、道中、特に那覇市内の混雑の影響などにより、那覇空港などへの到着が遅れるリスクがあるという。そこで一部の乗客は、渋滞の影響がなく迅速に移動できる等の理由で、古島駅前にてバスを下車して「ゆいレール」に乗り換え、那覇空港などに移動するケースがあるとのこと。

 しかしこうした場合、古島駅前~那覇空港間はバスを利用しなかったにもかかわらず、バス運賃を支払った上、古島駅~那覇空港駅間のゆいレールのきっぷをさらに買い足すといった、二重の負担を強いられていた。

 そこで今回の実証実験では、古島駅前~那覇空港間について、「バスにそのまま乗車しても、ゆいレールに乗り換えても、運賃は変わらない」ようにすることで、乗客の運賃負担を軽減する。さらに、ゆいレールは那覇空港駅以外での降車も可能とすることで、やんばる急行バスが運行していない地域を目的とする乗客の利便性向上も図った。

 なお、今回利用される「MaaSプラットフォームサービス」は、2019年11月26日から2020年2月29日までの期間限定で実施されている「八重山諸島における離島船舶、バス、タクシーによる観光型MaaS実証実験(八重山MaaS)」でも活用されており、今回の実証実験における一連の電子チケット化も、同プラットフォームを拡張する形になるとしている。

TISの「MaaSプラットフォームサービス」のシステムイメージ