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日本マイクロソフト、Mobility as a Serviceの実現に向けAIやIoTを活用した支援策を開始

 日本マイクロソフト株式会社は27日、業種業態を横断した「モビリティ(移動)」にフォーカスし、利用者志向で革新的なサービスを提供するMaaS(Mobility as a Service)の実現に向け、AIやIoTを活用した支援策を開始すると発表した。

 日本マイクロソフトでは、現在、日本におけるモビリティサービスでは、急速に変化していくビジネス環境への迅速な対応が求められていると説明。こうした課題の解決および各社が競争力を発揮していくための支援として、「MaaSリファレンスアーキテクチャーの提供」「MaaS技術者育成プログラムの提供」「新規ビジネス開発支援」「パートナーエコシステムの構築」の4つの支援策を提供する。

 MaaSに必要となるシステム共通部分を定型化したリファレンスアーキテクチャーについては、27日から提供を開始。MaaSに取り組む事業体や自治体は、リファレンスアーキテクチャーを活用することで、新規サービス開発期間、開発コスト、および運用コストを大幅削減できるともに、各社独自のモビリティサービスの開発、提供に集中できる。また、パートナー企業各社も、リファレンスアーキテクチャーにより、AIやIoTを活用した先進的なソリューションを、短期間かつ低コストで提供できるとしている。

 リファレンスアーキテクチャーでは、利用者がシームレスにさまざまな事業者サービスを利用できるようなユーザー認証の仕組みや、サービスAPI連携の仕組み、利用ログの蓄積の仕組み、MaaSアプリケーションサンプルコードなどの内容を提供。リファレンスアーキテクチャーは、MaaS領域におけるコンサルティングやプラットフォーム開発を提供する株式会社MaaS Tech Japanの支援を受けて策定しており、同社とはリファレンスアーキテクチャーを活用したMaaSプラットフォーム開発の面においても、連携していく予定としている。

 MaaSの技術者育成については、9月からMaaSサービス開発ができる技術者の育成を目的に、技術者育成プログラムを開始。プログラムでは、MaaSのコンセプトから、AIやIoTをはじめとする先進テクノロジを活用したシステム構築や実装に至るまでの総合的なトレーニングを提供する。

 MaaSに関する新規ビジネス開発に向けては、AI人材育成プログラム「Flags!」と連携し、ビジネスハッカソンの実施や、技術支援、パートナーマッチングなどの面で支援を行う。

 パートナーエコシステムの構築については、「Microsoft Partner Network for Industry(MPN for Industry)」の対応業種としてMaaSを追加し、マイクロソフトとパートナー企業が連携したMaaS普及のためのエコシステムの構築を目指す。MPN for Industryを通して、前述の3つの取り組みをパートナー企業にも展開し、MaaSを基盤とした新規ビジネス創出につながるエコシステムの充実を図る。

 日本マイクロソフトでは、今後もMaaSを活用したよりよい社会の実現に向けたデジタルトランスフォーメーション推進を支援するパートナーとして、幅広く取り組んでいくとしている。