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日本オラクル、「Oracle Cloud」の大阪リージョンを開設

 日本オラクル株式会社は3日、パブリッククラウド「Oracle Cloud」の次世代サービス「Oracle Generation 2 Cloud(以下、Gen 2 Cloud)」について、国内2拠点目となる大阪リージョンを新たに開設し、運用を開始したと発表した。

 大阪リージョンは、2019年5月に開設した東京リージョンに次ぐ国内2拠点目のリージョンとなり、「Oracle Autonomous Database」から「Oracle Cloud Applications」まで、すべての「Oracle Cloud」のサービスを提供する。これにより顧客は、DR(災害復旧)対策や、国内にある複数のリージョンでアプリケーションを展開でき、海外に機密データをホストする必要がなくなるため、コンプライアンス準拠に対応できるとしている。

 大阪リージョンの開設に合わせて、株式会社エディオン、ソフトマックス株式会社、ファイテン株式会社が、各社のシステムのクラウド化にOracle Cloudを採用することを表明している。

Oracle Cloudの大阪リージョンを開設
エディオン、ソフトマックス、ファイテンの3社が大阪リージョンの採用を表明

 Gen 2 Cloudについては、リージョンを2020年内に36に拡大する計画を発表しており、大阪とともにメルボルン(オーストラリア)、ジェッダ(サウジアラビア)、モントリオール(カナダ)、アムステルダム(オランダ)のリージョン開設も発表。今後年内までに、カリフォルニア(アメリカ)、ベロオリゾンテ(ブラジル)、ニューポート(UK)、ハイデラバード(インド)、チュンチョン(韓国)、シンガポール、イスラエル、南アフリカ、サンチアゴ(チリ)、サウジアラビアに加え、UAEに2リージョンの開設および運用開始を計画している。

 日本オラクル執行役CEO(最高経営責任者)のケネス・ヨハンセン氏は、大阪リージョンではIaaS/PaaS/SaaSを含む、Oracle Cloudのすべてのサービスを提供すると説明。これにより、「顧客は2つの国内リージョンをベースにシステムを構築でき、データも日本国内にとどめることが保証できるようになる。これはとても大きいと考えている」とコメントした。

日本オラクル執行役CEOのケネス・ヨハンセン氏

 日本オラクル執行役員クラウド事業戦略統括の竹爪慎治氏は、企業のデジタルトランスフォーメンション(DX)の実現には、新規に構築するDXシステムとともに、レガシーアーキテクチャのモダナイズが必要だと説明。そのため、多くの企業には、まずは既存のシステムをクラウド化し、さらにDXシステムとの連携を図るといった取り組みを提案しているとした。

 他のクラウドサービスと比較した場合のGen 2 Cloudの差別化要因としては、最新テクノロジーの活用によるパフォーマンスと価格面での優位性、セキュリティを第一に設計したクラウドであること、複雑化・多様化する企業内のさまざまなデータをシングルデータベースで実現できる点を挙げた。

 また、東京リージョンの顧客は首都圏近郊の製造・流通などが中心となっていたが、大阪リージョンの開設により、ミッションクリティカルなDR構成を必要とする業界や、西日本地域の公共・公益セクションにも利用してほしいとした。

日本オラクル執行役員クラウド事業戦略統括の竹爪慎治氏
Gen 2 Cloudの性能と価格面での優位性
大阪リージョンのユースケース