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みずほ銀行、凸版印刷のAI校閲・校正支援システムで業務効率化を実現

 凸版印刷株式会社は8日、株式会社みずほ銀行が、AIを活用した校閲・校正支援システムを採用したと発表した。広告制作物における業務効率化を目的に、2020年1月より運用を開始する。

 みずほ銀行では、商品・サービスの担当部門が制作したパンフレットなどの原稿において、専門用語などのレギュレーションチェックを確認部門が一括して行っている。しかし、制作レギュレーションを複数の作業者に徹底することの難しさにより、確認者による二重三重のチェックや、複数の確認者からの差し戻しに対する制作者の修正作業などが発生し、制作・確認の両部門ともに負担がかかっていたという。また、制作レギュレーションに対する校正スキルやナレッジの属人化も課題だったとのこと。

 そこで、こうした課題の解消に向けて凸版印刷とみずほ銀行は、AI校閲・校正支援システムを用いた実証実験を、2018年12月から2019年3月までの4カ月間、共同で実施した。

 この実証実験では、広告制作物における校閲・校正業務において、AIにレギュレーションを学習させた自動チェック機能を活用し、確認部門だけでなく制作部門においても初期段階からレギュレーションチェックを行えるようになったため、制作者と確認者間のやり取り回数や修正指示が削減されるなどの効果を確認。こうした作業者の負荷削減やヒューマンエラーの減少など、業務効率化が確認されたことから、今回、システムの導入に至ったと説明している。

 凸版印刷はすでにこの「AI校閲・校正支援システム」を製品化しており、2019年10月より、第1弾として金融業界を中心に展開しているが、2020年度までに20社の導入、2022年度までに関連受注を含めて累計100億円の売上を目指すとしている。

 さらに今後は、金融機関以外の業界に向けて、企業特有の表記や専門用語の実装とAIによる学習を進め、各業界へ展開していく考えだ。