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OKI、自治体向け遠隔相談システム「相談上手」を販売開始

 沖電気工業株式会社(以下、OKI)は12日、自治体の窓口業務を集約し、遠隔拠点から住民の窓口サービスを提供することで、自治体職員の働き方改革の推進と住民サービスの向上を実現する、自治体向け遠隔相談システム「相談上手」の販売を開始した。価格は個別見積もり。

 OKIでは、これまで区役所や支所・出張所で対応していた窓口業務を、本庁や合同庁舎に集約し、業務の効率化を図ることを検討する政令指定都市や中核都市が増えているが、従来は対面によって行われてきた相談窓口を本庁に集約することは、住民にとっての利便性を低下させるおそれがあると説明。また、ICTを導入して窓口業務を遠隔で行うことも検討されてきたが、従来の遠隔相談システムはテレビ電話による口頭での説明にとどまり、市民が窓口で作成する書類の不備などがある場合、その確認は現地の職員が行わざるを得ないなど、手続きがかえって煩雑になるなどの問題があったという。

 OKIではこうした課題に着目し、自治体向け遠隔相談システム「相談上手」を開発した。「相談上手」では、住民は窓口端末のタッチパネルから簡単な操作で相談でき、端末のドキュメントスキャナー機能により書類を住民と担当者で共有できるなど、従来の対面窓口と変わらない所要時間で、遠隔拠点からスムーズに対応できる。

 また、住民からの問い合わせを各窓口職員に均等に着信する機能により、従来発生していた、拠点ごとの相談件数のばらつきに起因する職員の業務量を平準化できる。さらに、各相談案件の応対時間を集計し、業務量を可視化することにより、サービスの品質についても平準化につなげられるとしている。

 「相談上手」の正式販売開始に先立ち、神戸市役所が相談業務のニーズについて、遠隔税務相談システムとして「相談上手」を先行導入した。神戸市役所では、市内の9拠点で行っていた対面式の税務相談を「相談上手」による遠隔相談に移行し、2019年8月より運用を開。住民に対して従来と変わらないサービスが提供できていることに加え、職員の集約化による効率化や、専門業務の知識・ノウハウの共有による人材育成の促進につながっているといった評価を得ているという。

 OKIでは、こうした窓口業務のデジタル化につながるソリューションの提供を通じて、労働力不足など社会が直面する課題の解決に取り組み、安心・安全・便利な社会の実現に貢献していくとしている。